熱波
日本も蒸し暑いですが、世界各国で強烈な熱波が発生しています。
アメリカ東部:http://jp.wsj.com/US/node_80023
ニューヨークは39.4℃を記録。地域によっては軒並み40℃を超え、死者も出ているようです。
中国:http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/183091
北京で43.2℃。バスが自然発火するという事件まで。
中東:http://www.jiji.com/jc/zc?k=201006/2010062300123
各地で50℃を超す熱波。電力不足でデモが発生。
その他、ロシアやヨーロッパの一部でも猛暑が記録されています。
図1:6/23~6/29の一週間の平均気温との偏差。この週は、ヨーロッパ・ロシア・中国北部・アメリカ東部で猛暑が観測された。中東の暑さは一段落している。気象庁HP
より。
これらの猛暑は地球温暖化の影響なのでしょうか?という質問はよくあります。答えは「そうかもしれない」というあやふやなものにならざるをえません。気候変動に伴い、猛暑の発生頻度は確実に増していくでしょう。しかし、個々の猛暑が気候変動によるのかどうかを決定することはできないのです。
人間に例えましょう。人はどうしても加齢と共に記憶力が減退していき、物忘れも多くなっていきます。しかし、健康な若者でも物忘れはします。ある人の名前が思い出せないのは加齢のせい、別の人の名前を思い出せないのは加齢のせいではない、などとはっきり区別できるものではありません。
温暖化にともない猛暑も多くなっていきます。しかし、温暖化以前にも猛暑はありました。この猛暑は温暖化のせい、別の猛暑は温暖化のせいではない、などとはっきり区別できるものではないのです。
気候変動に伴い、今後「極端な気象の出現頻度の増加」が起こる可能性は非常に高いとされます。2003年のヨーロッパの熱波 など代表例ですが、熱波は大規模な被害をもたらしえます。備えを怠ってはいけません。
図2:今世紀中に起こると予想される気象変化。熱波の頻度の増加可能性は非常に高い。なお、ここで言う「可能性が非常に高い」とは、発生確率が90%以上であることを示す。IPCC AR4統合報告書概要(環境省訳)より。