おかえり、はやぶさ | さまようブログ

おかえり、はやぶさ

 小さい頃、ボイジャーの特集番組を何度も繰り返し見ていました。ミマスの異形や天王星の縦の輪、そしてなにより海王星の深い青!ビデオを何度見返したことでしょう。

 また、ハレー彗星接近の時は、ジオットのライブ中継をどきどきしながら見ていました。ついにジオットからの中継が途絶え、研究者が「すばらしい一夜でした」と纏めたことも、印象に残っています。

 どこまでも孤独に進んでいくパイオニアやボイジャー。自らは彗星のダストにより破壊されつつも情報を送り続けたジオット。科学的な興味とともに、このような物語性には強く印象に残りました。ボイジャーが海王星を過ぎ遥か遠くに進んだとき、最後に太陽系を振り返って撮影した「太陽系のポートレート」は、科学の持つロマンチシズムの結晶のようにも思えるのです。


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 1990年に、ボイジャー1号が60億kmの彼方から撮影した太陽系の写真。通称、「太陽系の家族肖像(Family Portrait)」。地球など、青白い点に過ぎない。偶然ながら地球は太陽光が差し込んでいるように見え、太陽の恩恵を示す象徴的な写真にもなっている。NASA HP より。


 

 今日地球に帰還するはやぶさもまた、ドラマに満ちた「生涯」でした。その物語に満ちた生涯ゆえでしょう、衛星探査という、科学の中でも日常に直接関係ない分野とは思えないほど、世間(特にネット)は盛り上がっているようです。

 私が所属していた研究室は、はやぶさがもたらすであろうサンプルの一部を分析する予定があったそうです。今は全く関係ない分野にいますが(全く、は言い過ぎかな?当時学んだ機器分析法手法は今でも十二分に役立っているわけですし)、懐かしい時代です。

 個人的な感傷とはやぶさの物語性がごっちゃになって、ちょっとだけしんみりする夜です。さて、ライブ中継を見守りますか。