※かなり長文につき、お茶など飲みつつのんびりとお読みください。お急ぎの方は暇ができてからで結構ですw
晴天と、ポカポカ陽気に恵まれた3月14日の日曜日。
JR嵯峨野山陰線に乗って亀岡へ。
この日、亀岡市内を流れる保津川のほとりで、 「かわまちづくり 保津川すいたん農園 はたらく水車復活まつり」が開催されました。
「はたらく水車クルクルトントンくん」と名付けられたこの水車は、昨年保津川に復活した“はたらく水車小屋”なのです。
最近では全国各地で水車が復元されていますが、本当に“働いている”水車というのは日本に2つだけ。
その1つがこの「クルクルトントンくん」。なんと西日本唯一、あの最後の清流・四万十川にでさえ、昔ながらの水車小屋として働いている水車はないそうです。
亀岡市保津町では、愛宕谷川の水系を活かし、お米を搗いたり、粉を挽いたりする働く8つの水車があったそうな。
動力としての電気の普及と共に、全国的に水車小屋は廃止されていきましたが、21世紀になって「地球環境にやさしい動力」として水力が改めて見直されるようになりました。
そこで、保津町自治会は、復元した水車を中心に農業公園を整備し、自然と共生するまちづくりを進める準備に取り組んでいます。
それが「保津川すいたん(水端)農園プラン」。
この日は毘沙門営農組合の菜の花で飾られていました
そのプラン推進の一環として、水車を地元の皆さんに一般公開し、親しみを持ってもらおうというのが、今回の「はたらく水車復活まつり」です。
私はちょっとしたご縁からこのおまつりに誘っていただいたので、興味津津で参加させていただきました。
保津川はかつて、ここ亀岡=丹の国(にのくに)と京の都をつなぐ“いのちが行き交う水路”でした。
その復活の動きを祝い。
地域と隣人といきものたちとが共生するゆたかな町づくりを祈念して。
オープニングは、保津小学校太鼓クラブの皆さんの元気な演奏から。
続いて主催者の挨拶と来賓の挨拶…はすっ飛ばして、と。
「保津川すいたん農園」プランの説明、地元歴史家の先生による保津町の歴史の紹介。
また、京都学園大学の先生による“保津町のいきもの”のお話もありました。(写真は会場の展示)
はたらく水車完成を記念して、「水車に似合う」柳の木の記念植樹。
「いきもの共生」をめざす農園のシンボルとして、ビオトープへのモロコの放流。
そしていよいよ、「はたらく水車小屋」見学会の開始です。
水車を手掛けられた藤阪政美さんの解説で、水車小屋のしくみを理解しました。
水車が動き、石臼が回り、小麦が製粉されて出てくる様子はいつまで見ていても飽きません(笑)
が。
会場にあるのは水車だけではありません。
これは、「簡易炭化器」による竹炭作り。
竹炭を作って、販売するの?いえ、違います。
これは、亀岡市が立命館大学・龍谷大学が協力して進める「亀岡カーボンマイナスプロジェクト」に必要なもの。
具体的には、大気中のCO2を地中に戻して、地球温暖化を食い止めようとするもので、化石燃料(石油)などの利用により発生するCO2の発生量を、炭に含まれる無機炭素によって相殺しようとする実験プロジェクトです。
このプロジェクトから生まれたのが、「クールベジタブル」。
炭を混ぜた堆肥を田畑にまくことで、農地の土壌改良を行 うとともに、二酸化炭素削減農法で栽培した地球に優しい農作物です。
そして、「炭素埋設農法」によるクールベジタブルを生産しているのが「農事組合法人 ほづ」。
組合員338名、農地面積150ヘクタールを有する京都府内最大の農業法人で、保津川がもたらす肥沃な土壌でお米、麦、大豆、野菜などを栽培しています。
この日は、クールベジタブルのキャベツのほか、新鮮野菜、お米、大豆などの販売があり、参加者は大喜びでお買い物を楽しんでいました。
よしっ!お勉強は終わった。
今から“給食”の時間でーす(笑)
まずは、参加料300円で「保津産品 月見うどん」をいただけるのでそこからスタート♪
協力は、亀岡市大井町の製麺会社「薬師庵」さんです。
お月見の卵は、飼料米で育った「さくらこめたまご」。先日紹介しましたね。(こちら
をごらんください)
薬味は、「クールベジタブル」のお葱(青葱です、念のため)。
そして…「保津小麦」で作ったおうどん?
実は、かつて保津地域は小麦栽培に適した地で、生産される小麦は「保津小麦」と呼ばれ、専用の仲買人がいたほどの品質の良さで全国に知られていまました。
しょうゆの原料などに重宝されていたのですが、度重なる保津川の洪水による水害、さらには安価な小麦の普及で戦後には生産が途絶えてしまいました。
そこで地域の文化や伝統を見つめ直そうととりくむ保津町自治会は、一昨年秋から「保津小麦」の復活栽培を始めたのです。
保津小学校の児童たちも麦の成長を促す「麦踏み」を体験するなど地域学習を進め、地域が一体となった結果、見事に収穫がかなったというわけ。(拍手)
もちろん、市場にのせるにはまだまだこれからかとは思います。今後の栽培の広がりに期待。
その有難い「保津小麦」のおうどんは、色が黒くとても風味が豊かなのです。
甘みもあります。
何も知らず、黙って出されても「ああ、美味しいおうどんやなあ」と思ったことでしょう。
よし、まずは準備完了って、何の。
♪餅つき餅つき嬉しいなっ(47歳独身茶利身友だち募集中です、念のため)
つきたてのお餅に、柚子皮の甘煮(後述)を乗せて、ぱくっ。
うひゃひゃひゃひゃひゃヾ(〃゜▽゜)ノ おいちぃ(くどいようですが、47歳独身です、念には念を入れて)
…え~と、次行こ、次。
ここからは真面目なお話に戻ります。
「保津川すいたん(水端)農園プラン」と並行して進められているのが、保津町の新しい特産品づくり。
この日は、その試作品のお披露目・試食会でもありました。
さあ、気合を入れて味わってまいりましょう。
(商品説明は、いただいたチラシより抜粋しています)
六方
和菓子独特のしっとりとした食感とおちついた甘み。季節のくだものを素材に活かして、四季折々のバリエーションをめざします。
「六方」は六方焼、一般的にはこしあんを柔らかい生地で包んで立方体に形づくり、六方すなわちそれぞれの面をまんべんなく焼き上げた和菓子。
江戸時代に京都で考案され、京阪神を中心に近畿北陸地方のお土産として広まっていったそうで、特に文化交流の繋がり深い若狭では郷土菓子となっています。
“季節のくだもの”は中のあんこに活かされるのでしょうか、展開が楽しみです。
保津小麦クッキー
保津小麦復活!麦芽の独特の甘みを生かした、素朴でなつかしい味に仕上げました。口当たりのよいサクッとした感触もお楽しみ。
これもおうどんと同じく、小麦の風味と香ばしさがありますね。
ただ、試食だからなのか1個が小さくて、良さを味わうには物足りない感じ。製品化される際には考慮していただきたい部分です。
柚子のタルト
柚子の風味と香り、色をタルトに活かしました。タルトの重厚な味わいに季節のくだものを添えて、シリーズで展開する予定です。
これは!当日の試作品の中では群を抜いて洗練・完成されておりました。「今すぐ買いに行きたい」と思ったほどです。
恐らく、プロの料理人か洋菓子店が製作に関わっていると思われます。(と思しき人が会場におられましたし)
柚子皮甘煮
保津の伝統的な食材をふるさとの新しい産品に。各家庭の秘伝を持ち寄り、製法や隠し味に工夫をこらしました。
これが、先ほどお餅に乗せてたものですね。
しっとりして、ぷるぷるとして、半生タイプのゼリーのような食感なんです。
よそのお土産でも「柚子皮甘煮」は買うたことあるけど、それより果実に近い香りと味。
柚子マーマレード
柚子の皮を薄くスライス、デリケートでなめらかな食感、柚子の色あいを生かし、グラニュー糖の透明感ある味に仕上げました。
こちらはすでに製品化されており、160g瓶詰480円で販売してました。
マーマレードとしてはちょっとお高いものの^◇^; 食べれば納得!とばかりに皆さんすぐに買われていたのが印象的。
私の感想は…それは後日(もしもーし) ※もちろん、美味しかったです。
キウイジャム
キウイの種や果肉の素材感、食感を活かしました。キウイ独特の酸味が刺激的、甘い柚子マーマレードと並べると色の対比も楽しい。
すっすまん、私はキウイフルーツがあんまし好きちゃうんで…普通にキウイの味がするジャムなのね、とそれだけ。160g瓶詰480円。
柚子茶
柚子の皮を薄くスライス、はちみつのまろやかさと隠し味のしょうがの効いた、寒い季節に手軽でうれしいホット飲料の素です。
韓国の柚子茶よりも~っとあっさり、さっぱりして、ゴクゴク飲める柚子茶です。
しょうがの隠し味が大成功ですね。160g瓶詰480円。
どれもとってもいいお味、ただ、こう甘いもんばっかりですと試食でもツライもんがあります。
甘いもんが苦手な方のために、酒の肴的な特産品も作ってほしいと思うサケノミであった。
お口直しにコーヒーでも、はい、古世町の自家焙煎珈琲豆専門店「カフェタイム」(本店は右京区嵯峨広沢の喫茶店)さんが出店してくださってました。
オリジナルブレンド「鉾町ブレンド」は、甘みと酸味のバランスがとれた奥行きのある味。
甘ったるくなった舌を引き締めて、味覚回復っと。
お隣ではおかーさんたちが、かきもちを揚げてくださっていました。いただきまーす。
揚げたてサクサクは格別の美味しさ!干し海老入りで、香りもとってもいいんです。
保津川の土手や田んぼの畦に生える柔らかいよもぎをせっせと摘んできてくださり、あんこをくるんで蒸し上げたよもぎだんご。
コンビニやスーパーで売ってるのは比較にならないのはもちろん、ほんまもんのよもぎの香り高さは、どんな高級和菓子もひれ伏すことでしょう。
ただし、これはあくまでも手作りおやつなので製品にはなりませんとのこと。ざ・ん・ね・ん。
いや~、保津町の“地産地消”を、心行くまで堪能されていただきました。ご馳走様。
いずれこれらの試作品も完成して、再会できることでしょう。
その日を楽しみにしています。
会場ではこのほか、手回し石臼の粉挽体験コーナー。
亀岡市を拠点に活動中のバンド「Once More Please」のコンサート。
など、盛りだくさんの内容で参加者を楽しませてくれました。
小春日和の穏やかな晴天に恵まれたのも何より、これも私の日頃の行い…ではなく、保津町の皆さんの気持ちをお天道さんが汲み取ってくださったからですよ、もちろん。
「保津川すいたん公園」の実現を、同じ京都府民として心から楽しみにしております。
関係者の皆様、ありがとうございました。
主催:亀岡市保津町自治会、保津町まちづくりビジョン推進会議
共催:農事組合法人ほづ、NPO法人プロジェクト保津川
後援:亀岡市、京都府南丹広域振興局
協力(うどん):薬師庵株式会社(大井町並河)
協力:亀岡市保津町食生活改善推進員、かめおか四季菜、京都学園大学、立命館大学(地域情報センター)、龍谷大学(地域人材・公共政策開発システムオープン・リサーチ・センター(LORC))