妖怪堂・冥途カフェで桃太郎伝説の謎を解く(長文) | コン美味食文化論

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いけずな京女が、コンビニエンスに現代ニッポンの食文化を探求中。食のクロスロードを縦横無尽に放浪してます。

 桃は古来より、日本でも中国でも霊力の高い果物として扱われてきました。
 「古事記」における、神様の壮絶な夫婦喧嘩に桃が使われた話は「おひな祭りは桃の節句」 でご紹介しましたよね。

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 かの有名な陰陽師・安倍晴明を祀る晴明神社には大きな「厄除桃」があり、自身の厄を撫でつけるようにと書かれております。

 そして今はちょうど桃の旬、果物売場ではさまざまな産地の自慢の桃が芳香を放っていますが…。
 やっぱり高いねんもん、桃(T_T)
 ブログには紹介せんと、隠れてこっそり食べようっと(根性悪)

コン美味食文化論-チューハイ1



 そんなわけで(どんなわけで?)、「おいしいチューハイ 白桃ミックス」を飲みつつこの記事を書いております。


 みずみずしい素材がいきたお酒です。
 果汁をたっぷり50%使用した贅沢なチューハイです。(白桃果汁17%使用)
 
 ま~、ほぼジュースですけど…。


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 少しとろっとして、不二家のピーチネクター(最近、なかなか売ってないんだよねえ)をチューハイにしたらこんな感じかな、って味。

コン美味食文化論-妖怪堂1


 
 で、話はいきなり急展開するんですけどね。
 先日、東方からの客人を、都の魔界スポットにご案内したんですよ。
 賑やかな三条京阪から少し入っただけで、そこはもうひっそりとした空間。
 築200年の町家を改造せずそのまま使用している「妖怪堂・冥途カフェ」 が、怪しげなオーラを放ってたたずんでおります。

コン美味食文化論-妖怪堂2


 
 中に入ればそこには妖怪関係の書籍やグッズ、工芸品の数々…。
 あ、念のためお断りしておきますが、ここのコーヒーは、きちんと美味しいです。
 基本は、喫茶店でございますから。

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中央が店主・葛城凶さん


 
 今回は予約をしておきまして、「店主の妖怪話」(1人800円+ワンドリンク注文)をお願いしました。
 妖怪絵師にして妖怪の伝道師・葛城凶さんが、「妖怪とは何か」について語ってくださいます。
 決して、おどろおどろしい話ではありません。むしろ合理的かつ現実的な解説。
 
 今回の収穫は、桃太郎伝説の謎が解けたことです。
 桃太郎がなぜ「桃から生まれた」のか、それは桃の霊力信仰が由来であるということはわかっていたのですが。
 そのモデルが誰なのか、「鬼」とは何なのかまでには思い至っておりませんでした。
 結論を先に述べますと、桃太郎のモデルは平安時代の武将・渡辺綱(わたなべのつな)。
 大江山の酒呑童子退治や、京都の一条戻り橋の上で鬼の腕を源氏の名刀「髭切りの太刀」で切り落とした逸話で有名ですが、これらの逸話が後に桃太郎の鬼退治に変化したというのです。
 というのは、彼の子孫は渡辺党と呼ばれる武士団で、大阪湾を本拠地に瀬戸内海の水軍を統轄し、源平の争乱から南北朝にかけて活躍しました。
 また、渡辺氏からは九州の水軍・松浦党の祖の松浦久も出ています。
 つまり、渡辺党が遠征した場所では当然、偉大なご先祖様である渡辺綱の武勇伝が語られ、桃太郎伝説が形成されていったと。
 そしてたまたま岡山県が桃の産地であったことから、桃太郎が岡山県のシンボルになったのはどうやらかなり新しい話であるようです。

コン美味食文化論-桃パン2
桃?(答えは下)


 
 では、彼が退治した「鬼」とは?
 渡辺綱が仕えたのは源頼光、藤原道長の側近であり朝廷の守護者であった武将です。
 もうおわかりですね。
 「鬼」とは朝廷に刃向かう一族や武士団、盗賊らの総称。
 現に、渡辺綱が退治した酒呑童子は実は盗賊の頭領であったと言われております。
 
 ただし桃太郎伝説には諸説紛々、さまざまな解釈が存在し、またいつどのあたりから「桃」がくっついたのか、いや実は風水の観点から説明できるという人もいれば、岡山県には岡山県の言い分もあるし(爆)
 きりがないので、かなり有力なひとつの解釈として、私の中では区切りをつけたいと思います。

コン美味食文化論-桃パン1


 
 しかし、桃、桃と連呼していたらお腹、へってきた(>_<)
 あくまでもほんまもんの桃はこっそり食べるとして(いけずやさかい)
 コンビニで買える“桃”、それは「極(きわみ)の福島県産桃ジャム&クリームパン」でございます。
 
●福島県産の桃の桃ジャムと桃クリームを包みました。
●桃の皮を剥くイメージにまでこだわった、まるで桃のようなパンです。


コン美味食文化論-皮つき


 半分に切ってみると、一番上には確かに薄い“皮”があります。
 皮に包まれているふわふわのパンの間には、桃ジャムと桃クリーム。

コン美味食文化論-皮むき


 
 “皮”を剥いてみたらはい、感じ出てますね♪

コン美味食文化論-クリーム


 
 これはなかなか、美味しい菓子パンでございました。
 ちゃんと桃の味も香りもしてたし、甘さもくどくなくて、合格。
 
 とはいうもんの、これだけ盛大に食品添加物入りの“桃”では、霊力は到底望めまへんな。
 いやいや、逆に鬼たちも、そんなカラダに悪そうなもんが食えるか!と逃げ出すかもしれません(^_-)


〈宝酒造 おいしいチューハイ 白桃ミックス〉
内容量:350ml
原材料:果汁(白桃、りんご、洋梨)、白桃ピューレー、スピリッツ、香料、酸味料、ビタミン
糖類不使用
リキュール(発泡性)①
アルコール分:4%


〈サークルKサンクス(山崎製パン) 極の福島県産桃ジャム&クリームパン 150円〉
内容量:1個
原材料:小麦粉、白ももジャム、白ももフラワーペースト、糖類、マーガリン、でん粉、パン酵母、食塩、卵、ショートニング、発酵風味料、植物油脂、植物性加工油脂、ソルビット、糊料(増粘多糖類)、乳化剤、膨張剤、酸味料、グリシン、酢酸Na、pH調整剤、保存料(ソルビン酸)、リン酸Ca、着色料(ラック、紅麹)、イーストフード、V.C、(原材料の一部に乳成分、牛肉、大豆、りんごを含む)