今月のロッキングオンの渋松ではスプリングスティーンの新譜を取り上げてます。
渋谷さんはデジタル寄りの音を作ってきたと言ってますが私は正直最近聴いてなかったのでそんなにデジタル寄りの音になったと言えるのかはよく分からない。
矢沢永吉もそうですがスプリングスティーンはあのボーカルで一瞬で聴き手を引きずり込んでしまう。バックの音がどうであれその世界がズドンとそこにある。
矢沢永吉は1980年から「カバチをたれるな!」ってのをアルバムのタイトルにしちゃってますが向こうのBOSSも同じ。
音を部分的に試聴しても基本的にハングリー・ハートからそんなに音が変わってるって感じはしない。って言ったら怒られるかな?
渋谷さんが書いてるように彼が他のミュージシャンと違うのは思いっきりリスクを取ってナーバスなテーマに向かい合ってること。
BORN IN THE U.S.A.は代々木や城ホールで歌われて日本人の客は拳を振り上げてましたがあの歌詞のテーマはベトナム戦争ですよ。
U.S.A.で生まれた
俺は U.S.A.で生まれた
俺は U.S.A.で生まれた
U.S.A.で生まれた
俺はこの町で小さな問題を起こし
彼らは俺の手にライフルを握らせ
外国へ送り込んだ
黄色人種を殺すために
やっぱり違和感を覚えました。でも当の本人が一番悩んでたみたいです。
彼のこのスタンスは今でも失われていなくて今回も攻撃的な歌を歌ってます。
メッセージを込めた上でポップミュージックとして成立させて売れて成功しなくちゃいけない。このものすごい困難なテーマにチャレンジして成功してきたのがスプリングスティーンです。
彼に比べたらほとんどのミュージシャンがかすんでしまいます。
渋松で書いてたので私もそんなことを書きたくなりました。よろしく。
rockin'on (ロッキング・オン) 2012年 05月号 [雑誌]
レッキング・ボール(初回生産限定盤)