ブルータス 「成りあがり」の編集者の糸井重里 | 矢沢永吉激論ブログ

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 1978年に出版された矢沢永吉の自伝『成りあがり』は、ベストセラーとなり、当時の若者のバイブルとなった。その本を構成、編集したのが若き日の糸井重里である。著者は矢沢永吉だが、この本は糸井が「聞き書き」の形で書き起こしたもの。

 「コピーライターをやりながら、ファッション誌や音楽誌に原稿を書いたりしていてね。それを見た編集者が声をかけてくれた。

とにかく、永ちゃんの行くところにくっついて行って、ずっと取材してた。全国ツアーも泊まり込みで同行して。昼間一緒に街をぶらぶらしたり、楽屋に入ったり、録音したり、録音せずに話したり」

 矢沢永吉と糸井重里はほぼ同年代。コンサート会場の楽屋やホテルのバーで、テープレコーダーを回しながら2人が語り合っていたのは、共に20代の終わりの頃。

 「あの頃の永ちゃんは、ほんとに普段着だった。米軍の放出衣料のパンツ穿いて、白いTシャツ着てね。それで街を歩いてる。でも、ヤザワが着るとカッコいいんだよ。なんていうか、生活とステージが地続きで。

そのへんはいまの永ちゃんと変わってない。ただの庶民が上に上がっていく感じ。それは永ちゃんがカッコいいだけじゃなくて、その可能性も含めて、いいなぁって惚れ惚れするんだ」

 糸井が思い起こす70年代後期のロックシーンは、現在とは明らかに雰囲気が違う。

 「田舎に行くと、会場の周りを暴走族がぐるぐる回ってて、時々そいつらがケンカし始めるわけ。コンサート中にステージの真下でレンガで殴り合ったりしてる。

それを見ると永ちゃんが演奏をやめてね、”ちょ、ちょ、ちょ、ちょっととそこさぁ……”って止めるわけ。永ちゃんだってね、まったく怖くないわけはないと思うよ。別に体がでかいわけでもない、普段着の永ちゃんだからね」

 ちなみに、『成りあがり』をまとめた糸井は、矢沢のファンからはいまも一目置かれていて、毎年必ず出かける武道館コンサートでは、しばしばファンに一礼される。



成りあがりが糸井重里の一世一代の大仕事、代表作とはよく言われていました。糸井の代表作は「おいしい生活」でも「不思議、大好き」でもなく「成りあがり」だと。

でもそれなら去年やった「今だからこそお金の話」の対談も書籍化あるいはDVD化して欲しいですね。私は全部録画してあるけどテキスト化はしてないから。