Do You Know Mr. Yazawa 6/7 | 矢沢永吉激論ブログ

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Yazawa Eikichi - Do You Know Mr. Yazawa 6/7


次の日の本番、モニターはばっちりだった。
オレは「ドント・ビー・クルーエル」をきめた。
最高のステージをやった。ロッドもびっくりしていた。

オレの声はよく出ていた。
「矢沢、一番かっこよかったよ」とある人が言った。
今度は「ハートブレイク・ホテル」だ。
ロッドに、スティーヴ・ウィンウッドに、
ジョン・ボンジョヴィにロバート・パー・マーに矢沢の五人。

オレがいちばん最後を歌って、すっと後ろに退いた。
あとは、コーラスパートでみんなと一緒に歌ってた。

するとロッドが前で、「ヤザワ、来い」と言う。
それまで延々ロッドはオレをシカトしてた。
「ヤザワ? フー? 東洋からきた誰?」
みたいな感じだった。
それがオレの『ドント・ビー・クルーエル』を聴いて、
ロッドは素直に思ったんじゃないのかな。
かっこいいって。

「me?」
オレは思わず聞き返した。
七万人がうぁーってやってるときだ。
「おまえだ」って言うから、「来い」って言うから、「OK」とオレは言った。
(8:50のあたりです)

オレは歌いながら、ロッド・スチュワートのそばに行った。
すると今度はボンジョヴィが逆側からわーと来た。
ボンジョヴィとロッドと、ステージの中央で一緒にやった。

すべてが自然の流れだった。あれが良かった。
最初はみんな「フー・イズ・ヤザワ?」誰も知らない。知らない。
だけど、終わると、「オウ、ヒー・イズ・グレイトー」

なんか、急に思ったね。
日本の商社はすごいと思った。
日本の企業はすごいと感じた。

戦争に負けて、ダットサンあたりが最初にアメリカ市場にクルマを出したとき、
フリーウェイでみんなオーバーヒート起こしたんだそうだ。
それで全部返品。
全部返品されたところから、日本は始めるんだ。
なんでオーバーヒートするんだってところから。


アー・ユー・ハッピー? (角川文庫)P235