矢沢永吉 60歳のロックンロール宣言_1 | 矢沢永吉激論ブログ

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週間プレイボーイよりrabbit*



洋楽にしないっていうのが、 このアルバムのコンセプト

一昨年は恒例のツアーもなく、
オリジナルアルバムも4年ぶりということで、
「お帰りなさい」という気分で
ニューアルバム『ROCK'N'ROLL』を
聴かせていただきました。


矢沢  よかったですか?


よかったです! 
矢沢さんのアルバムって、

正直、最初は違和感があって、
聴いていくうちにその良さが
わかっていくといった感じだったんですけど、
今回のアルバムは一発目から
「これ最高じゃん!」って楽しめました。


矢沢  いやあ、そう言われたら一番うれしいです。
といいますのは、
そこがけっこう狙い目だったですからね、最初から。
今おっしゃったように、
「矢沢さんの曲って、1回聴いただけじゃ
一瞬ちょっとわかんなくて、3回、5回聴いているうちに、
いいメロディラインで深いよねって感じなんですよね」
というのはよく言われていたんです。
それが今まで僕が作っていた音楽だとますと、違うなと。
最近はそうじゃダメだなと。

それはいつぐらいから感じてらしたんですか?


矢沢 4~5年前ぐらいにそれを感じ始めて、
その頃は『YOUR SONGS』という名のもとで
リミックスし直している時と近いじゃないですか。
過去の作品の音をシンプルにミックスし直したベスト盤ですね。
矢沢 そういうことです。
だからその頃から僕は思っていくわけですよ。
何をかといったら、
主役を支える音はそんな要らねえだろうと。
主役ったらボーカルでしょ?

ボーカルを支える音といったら、例えばドラム。
リズム系がひとつあったら、
あとはコードがわかるベースに
エレキギター一発もあれば十分だってことが。
キャロルなんかまったくそうだよね。
ベースとドラムとギターとサイドギターとでおしまいじゃない?

なのに、やっぱり僕は知らず知らずのうちに
ものすごく音楽に入っていった。
それは凝り性だからよ。凝り性だから、
ご存知のようにアレンジのすごさにものすごく僕は着目したし。
同じメロディなのにアレンジひとつでこんなに曲が変わっちゃうんだ。
それからはもうアレンジに魅了されて…。
それもいいんだけど、
何かもっと大切なものを俺は忘れてきてるんじゃないの?
っていうところを、5年ぐらい前から
ものすごく感じ始めたんですよ。
それはやっばりこだわって、
ぐる一っと一周回ってきた結果なんですね。
それで、いてもたってもいられなくなって
『YOUR SONGS』でテープ全部出して、
もう一回ミックスダウンした。
そして「こんな音、全部カットカット」ってやってったら、
やっぱりシンプルなんだよね。
シンプル・イズ・ベストなんですよ。
そんなことをやってですね、
3年間アルバムなんか出したくもなかった。

出したくもなかったというのはどういうことですか?

矢沢 だからそんな気持ちがグーッと高まると、
ちょっとニューアルバムとか言ってる場合じゃねえだろうと
それよりはまず過去のものをちょっといじくるほうが
よっぽど俺にとって意義があるというのが
『YOUR SONGS』だったわけですよ。
 それで今回やっと4年ぶりにこれにとっかかる時に、
最初から今言ったようなことがコンセプトにありました。
だから、今回のアルバムっていうのはもう、
それこそ初期のビートルズやキャロルみたいな、
ああいうスパーンとくるものを大事にしてる。


60歳のロックンロール宣言_2に続く