ネットカフェのPCからの更新で、手元に資料をまとめたファイルが無い。記憶だけで書きます。


Perfumeの掟


は、2007年、「ポリリズム」の発売後、10月31日から名古屋、大阪、広島三ヶ所で行われたライブ「感謝!感激!ポリ荒らし」と、11月8日恵比寿リキッドルームで行われた「SEVENTH HEAVEN いい気分」、さらには年末のカウントダウンライブの中で披露された、音楽と視覚効果とダンスのみで構成されたMIKIKOさん演出による実験的な要素の強いワンコーナーの名称でした。


Perfumeの三人が笑顔も見せず、ほとんど表情も変えないまま、過去の自分たちを模したマネキン人形を前に踊るこのダンスシーンは、「歌の振り付け」という制約を超えて、Perfumeのダンススキルの高さと、アイドル然としていながらアイドルだけではいられない、彼女たちの内側にある獰猛な向上心を露わにした「事件」として、目撃したファンの間で言い伝えられてきました。


「やっぱ、Perfumeってヤベえ」


このダンスシーンは、その後、「GAME」の振り付けの方向性と、「edge」というPerfumeに課せられた「無理めの難題」に一部引き継がれ、マネキンの台に腰を下ろしながら足だけで踊ったシークエンスは、「ラブワー」以降のフェミニンな振り付けの中に生かされています。


コアなファンの一部では、またいつの日にか「掟」を、というひそかな願いが囁かれていたこともあったようなんですが、Perfumeはプロデューサーの中田ヤスタカさんの「過去は振り返らず、影響されず」という方針に大きく影響を受けていますので、復古的な演出は望めないままなのではないか、と半ば諦められていたように思います。


今回、東京ドームで「掟」が復活したことは、本人の意図はどうあれ、中田さんの音楽という「原作」に対して忠実な脚色をしてきた舞台演出を手がけるMIKIKOさんが、独自色を強める端緒、作家宣言となるような意味合いを感じました。

遠慮ばかりしてはいないよ、と。

そしてそれは、頑なな芸術家という一面の他に、実は柔らかな寛容さを併せ持つ職人でもある中田ヤスタカさんにとっては、望むところ、なのではないか、と。


では、またレポに戻りましょう ▽・w・▽