2004年の三月に


モノクロームエフェクト


を発売したPerfumeは、無事に中学校を卒業、4月から高校生になります。


中学生から高校生へなったこの年、チームBEE-HIVE Perfume班は、いよいよ本格的にメジャーデビューを画策し始めます。


6月11日に行われたライブでは


コンピュータードライビング


を初披露。


「ジェニー」以来、久々にのっちのソロパートで始まる曲です。



基本体力が無いと 勝負時に


から、


信じていよう 止めたら逃げるだけ


まで、歌い出しソロパートがのっち、続いて


かしゆかソロ→ユニゾンでサビ、間奏→あ~ちゃんソロ→かしゆか短めソロ→あ~ちゃん短めソロ→ユニゾンサビ、間奏→のっち短めソロ→ユニゾンサビ。


弾むように歌うことを求められるこの曲ではあ~ちゃんかしゆかはソロパートがありながらもどことなく全体の印象として控えめ、のっちのボーカルを軸に据えた構成になっています。


早くから発表され、ファンの間でも人気の高かった「コンドラ」は、しかしなぜかCDに収録されたのが発表から1年4ヵ月後


リニアモーターガール


のcw曲として。

Perfumeは2004年の9月8日に全国インディーズ期最後のシングル


ビタミンドロップ


を発売(cw:引力)。

「モノクロ」収録の各曲や「コンドラ」までは、過度な感情移入を封じた真っ直ぐな発声ながらもティーンズアイドルらしい伸びやかなボーカルを披露していたPerfumeは、この曲「ビタドロ」からさらに感情表現を抑えた「sing like talking」語りかけるような歌い方、にシフトを変えていき、その傾向はメジャーデビューを視野に入れた試作曲群「ションションション」まで続きます。


「ションションション」は、2004年12月16日に「Perfume」とともに初披露、タイミング的にはこれらの曲がアミューズ+ヤマハチームからTJC側にプレゼンされたメジャーデビュー候補曲、だったはずなのですが実現しません。


Perfumeのアキバでの活動が印象に残ったらしい篠木氏から提示された「リニアモーターガール」、近未来的な雰囲気を感じさせるコンセプトでメジャーデビューが実現するまで一年以上の時間を要することになります。


「ションションション」各曲は、恋愛に対して揺れる乙女心、をテーマにしています。


メンバー3人の声質を考えたらこの「乙女ポップ」路線が曲調としてはもっとも妥当なもの、と考えるべきで、チームBEE-HIVE改めチームPerfumeは「リニア」に続くメジャーデビュー第二段シングル


コンピューターシティー


で、実に巧妙に「近未来」というコンセプトの中に「乙女ポップ」な切なさ、を紛れ込ませ、軌道の修正を図ります。


現代まで続く「乙女ポップ」な路線、その端緒となった「ションションション」では、それまで発表された曲の中では「レシピ」をのぞいてユニゾン部分以外にこれといった「見せ場」のなかったあ~ちゃんのボーカルがその存在感を増し、かしゆかとともに楽曲のイメージを引っ張ります。


イミテーションワールド


では、歌い出しソロパート


ギリギリと笑って ため息で濁す


たかが恋一つ ただ落としただけなのに


があ~ちゃん、続くソロパート


ニコニコと笑って おどけ気味 キミは


シートベルトして 


までがかしゆか、


すぐ あたし 指定席に座る


の部分から、続いて


痛い明日過ぎて 


大人ぶった すぐに逃げた


までがかしゆか+のっち、続いてのっちソロ


ハラハラとしても


気づかない よかった


上手なつもりで ほら


傷は深く重い


ちょっと引用しすぎなのでこのくらいにしておきますか。

いい歌詞なんだよな~、ほれぼれとします。


「イミテ」「アトラクション」は、テキストとなるものが動画しかなく、しかもそれがどれも2分半に短縮されたバージョンのみ、「イミテ」は4分10秒くらい、「アトラクション」は3分半くらいがフルコーラスバージョンとなるので全貌を知る人がほとんどいないという困った事態が続いていますね。


引用した歌詞の部分から続いて


あ~ちゃんソロ→ユニゾンサビ、二番に入ります。

この曲のユニゾン部分を聴いていると、力まないで歌った時に重なった3人の歌声のイメージを喚起する力の凄さ、が伝わってきます。


この曲に関しても、かしゆかは重要なパートをまかされているのですが、段々とあ~ちゃんが存在感を増し、のっちが全国インディーズ期から引き続いて「裏センター」とでも呼ぶべきパートを担当することで、3人のボーカルパートはますますバランス良く、楽曲の中に配置され、楽曲のイメージとボーカルが融合の度合いを深めて行きます。


ボーカルパートにおける勢力の拮抗、はこの後エフェクトが強力になり、3人の歌声の個性が圧縮を受けるようになった「リニア」、そしてメロディ全てがユニゾンで歌われる「シティ」まで続くことになり。


あの曲がやって来ます。


次回のタイトルは、のっちの台頭とルネッサンス ▽・w・▽


どうでもいい追記:


僕は「歴史と変遷」を考え、書いている時が一番幸せみたいです、にゃー