アルバム「⊿」、収録各曲の歌い出しソロパートの担当を書き出すとこんな感じ。


01.Take off (除外)


02.love the world   (のっち、以下N)


03.Dream Fighter    (N)


04.edge          (かしゆか、以下K)


05.NIGHT FLIGHT   (K)


06.Kiss and Music  (N)


07.Zero Gravity      (あ~ちゃん、以下A)


08.I still love U     (A)


09.The best thing    (K)


10.Speed of Sound  (除外)


11.ワンルーム・ディスコ   (N)


12..願い            (K)


かしゆかとのっちが4曲ずつ分け合い、あ~ちゃんが2曲、という構成になっています。

「ラブワー」は歌い出しからユニゾンが続き、そのまま一番に相当する歌詞を歌いきった後にようやく各ソロパートに入りますし、「Kiss」の歌い出し部分もおそらくはのっちを軸に据えたユニゾンではないか、と思われますのでちょっと正確さに欠ける区分にはなるのですが、便宜上のっち、ということで話を進めます。


以前にも書いたように、アルバム「GAME」以降に発売されたシングルのリード曲では全ての歌いだしソロパート、及び歌い出しユニゾン部分終了後のソロパートがのっちから始まり、cw曲、アルバムオリジナルではかしゆか、あるいはあ~ちゃんにその役割が移る、という明確な区分となっていることがお分かりいただけるか、と思います。

Perfumeのサウンドでは、インディーズ時代からほぼ続いて、歌い出しパートを担当するメンバーの歌声が、その楽曲全体のイメージをリードする、という役割の振り分けが行われてきています(もちろん、例外もあります)。


インディーズ時代にはかしゆかが、ションションションの時代ではあ~ちゃんが、メジャーデビュー以降の楽曲ではのっちがその役割を担わされることが多くなってきました(のっちリード、のアイディアはビタドロよりも早くライブで披露されていたコンドラにその萌芽を見ることが出来ます)。


このボーカルの使い分け、に関してはPerfumeと中田ヤスタカさんの関係が成熟していく過程の中で時代を追うごとに洗練されていきます。


インディーズ時代の曲を音源で聴いていただくとお分かりいただけるのですが、この時代、中田さんは3人の語尾の伸ばし方がバラバラなままでもそのまま採用していて現在のような3人の歌声をどのようにそれぞれの個性に合わせて光らせるか、というような配慮や細やかなボーカル処理はほとんど施されていません。


そのワイルドでアバウトな時代から、アルバム「⊿」新曲群における精緻なボーカル処理に至るまでの過程を、「⊿」発売日を過ぎて感激や感動がちょっと落ち着きかけて関連記事を続けて書いているのがひげくまさんくらいになってきている今、ツアー開始までファンの関心にちょっとした隙間が出来ている間に「歴史と変遷」としてたどってみようか、と思っています。


「歴史と変遷」は「リップシンク」という大きなテーマを中途半端に放り出したままになっていて(あれだけ書いてまだ終わってないんです、てへ)、自分の中でも気まぐれを起こして別のものを書いている場合か、というツッコミの声が聞こえてくるのですが、何、ツアー開始までの埋め草記事的にざっっっくりとしか書くつもりは無いので、かまいやしねー、と開き直って書いちゃいます。


3人の歌声、その素晴らしさについて何かしら書きたいだけなんです、将軍様(誤解の無いように言っておきますが、北の将軍様とは何も関係の無い、一休さんの方の将軍様(義満)の方です、念のため)、新右衛門さん(あれですね、夢枕獏さんの陰陽師の源博雅って、なんとなく新右衛門さんのイメージとダブりますね、トラブルを持ち込んでくるところとか)。


第一回目のタイトルは、「前史 不動のセンター」。

さて、誰のことでしょう? ▽・w・▽