アルバム「⊿」、この中で相変わらず中田さんは華麗なアンサンブルを奏でてくれています。
既発シングル曲の分厚くもシンプルで分かりやすい音の使い方と、アルバムオリジナル曲の軽やかで流麗な音の使い方を聴いていると、これから後世になってPerfumeサウンドを研究する人にとっては非常に興味深い「転換期」のサウンドとして感じられるんじゃないか、という気もします。
さて、これはエルニーニョくんに一度調べていただきたい(他力本願)んですが、中田さんは一曲の中でどれくらいの数の音を使っているんでしょうね。
音の数、というのは、まあ楽器の数、に相当すると考えていただければよいか、と思います。
僕が素人ながら必死に何度も何度も聴いて確認すると、基本的には四つくらいの音で、あと、サビとか大サビのところになると裏メロみたいなものを奏でる音が加わって、それでも5つくらいに聴こえます。
ドラムス、ベース音のリズム隊、コード進行担当のキーボード、裏メロみたいな音を奏でるキーボード、と、サビとか大サビの部分でもう一種類、あと効果音っぽい音がたまに入ってくる。
インスト曲の方がさすがに若干多いような感じもします。
既発シングル曲と新曲群とでは、音の重ね方も違っていますね。
既発=重
新曲=軽
大雑把に言うとこんな感じ、重いから良いとか、軽いからどうとかいう話ではないので念のため。
これって曲調による違い、ということのほかに中田さんによる各曲の制作時期の違い、ということも理由としてあるんじゃないか、という気がします。
あと、シングルの、特にリード曲ってやはり特殊なものなんだな、ということも。
シングルリード曲って、カラオケで歌われることも考慮されているからじゃないか、と思いますがボーカルパートの振り分け、3人の声の使い分けが非常にシンプルです。
基本的にはソロ→ソロ→ソロ→ユニゾン、の繰り返し。
シングル曲というイメージとは矛盾するかもしれませんが、曲全体のアンサンブルにボーカルパートも含まれている感じ。
音の数もやや多いんじゃないか、という印象を受けます。
新曲群は、はっきりと演奏+歌、というイメージがあって、それぞれ独立した「音」がアンサンブル「合奏」としてお互いの存在を高めあっている。
音の数もやや少なめなのかもしれません。
ひょっとすると、ですね。
Perfumeファンの側からの勝手な期待込みの妄想なんですが、中田さん、このアルバム制作の時期くらいから、Perfumeに曲をあげる、提供する、というだけじゃなくて、Perfumeと一緒に音楽を作っていく、という姿勢を見せ始めているんじゃないか、という気がするんです。
それが、楽しくて仕方なくなってきたんじゃないかって。
このアルバムの中の既発シングル曲とオリジナル曲との間に感じる、わずかな隔たりのようなもの、音の数、使い方、重ね方、の違いが、単なる神の気まぐれなのかどうか、独立した各曲の個性でしかないものなのかどうか。
次回のアルバムが楽しみで楽しみで仕方がありません。
中田さんとPerfumeが一緒に創りあげる音楽は、どんなものになるんでしょうね。
もう、シングル曲を何曲も挟みこまなくても、きっと大丈夫。
ガチガチにコンセプチュアルなアルバムを、世界に叩きつけてきて欲しいな、と思います。
飛躍の2008年、勝負の2009年、2010年は審判の年。
Perfumeから決して目を離さないように、そらさないように ▽・w・▽
追記:
こちらからの勝手な指名に答えて、エルニーニョくんがアンサー記事を書いてくれました。
http://ameblo.jp/el-nino/entry-10303912839.html#main
DTMという新しい音楽制作様式ならではの音の作り方が展開されているんですね。
予想を超える音数の多さにちょっとびっくりしてます。
同じ音を分裂させて、それから独立させているのかな?
興味深いですね。
あらためてありがとう、エルニーニョくん。
エルくんから発信されるPerfumeサウンドをこれからも楽しみにしてます。