あ~ちゃんとのっちの関係って、たとえば、小さい人見知りな女の子が近所の少し年上のおねえさんを慕って遊びに出かけるたびごとにくっついてまわる、おねえさんのほうは女の子を可愛いとは思ってるんだけど、ちょっとグダグダしたところがあっていらつくこともあるし、他にも友達や遊び仲間はたくさんいるし、いつもくっついてこられちゃ困っちゃうかな、くらいのちょっと醒めた気持ちで女の子を見てる。


いきなり長くなりましたけど、そんな関係に近いんじゃないか、と思います。


Perfumeのメンバー構成は、基本的には2+1なんじゃないか、と思ってます。


(あ~ちゃん+かしゆか)+のっち。


あ~ちゃんとかしゆかの間には、Perfumeという枠組みを離れたところにも友情や共感、女の子同士の結束みたいなものが存在している。


でも、多分あ~ちゃんとのっち、かしゆかとのっちの間にあるものは、まず何よりもPerfumeのメンバー同士、という同志的な結束、関係であって、おそらく個人としての友情や共通項みたいなものはあ~ちゃんとかしゆかの関係に較べたら、薄いんじゃないかな、と感じています。


いや、分かってます。

のっちは過去、2:1になる時期はもう過ぎた、と発言してますし、あ~ちゃんはのっちに対するメッセージの中で自分はのっちの友達だから、と宣言しています。


でも、あ~ちゃんはかしゆかに対してはわざわざ友達であることを確認するようなメッセージなり言葉なりは送らないんじゃないかな、という気がするんです。


ゲスの勘繰りを承知で言えば、のっちにしろあ~ちゃんにしろ、お互いの感情の中には、かなり複雑な要素も含まれているんじゃないかな、と思います。


2人の才能は、拮抗した状態にあります。


歌唱力ではあ~ちゃん、ダンスではのっちにそれぞれ一日の長があり、曲の間のパフォーマンスは本来なら互角。


ただ、Perfumeの楽曲には従来のイメージするところの歌唱力、はあまり必要とされない場合もあるために、エフェクトボイスの芯、に採用されるのはのっちの声が多い。


となると、中田さんの曲ありきのPerfumeのパフォーマンスで必然的にのっちが重要な役どころを演じるパターンが増え、あ~ちゃんは脇に回って支える立場が増える。


でも、ライブやイベントでのMCトークはあ~ちゃんの独壇場。


アウェイで戦わざるをえなかった過去のPerfumeのステージを支えたのは、本来なら「合間のつなぎ」に過ぎないはずのMCトークで、そこで孤軍奮闘して観客に向かって行ったのはあ~ちゃん。


かしゆかはそのトーク部分での反射神経の良さから、あ~ちゃんのフォロー役としての勤めを果たしていたようですが、のっちはどうしても出遅れてしまうことが多く、(仕事なのに)喋らない人、なんて思われてしまうようになってしまった。


古くからのファンの方の過去レポを読むと、トークが苦手な割りにはのっちが頑張ってよく喋ってた、という記述も多いので、実際にはそれほど喋らないということもなかった、と思うのですが、一人で喋り続けるあ~ちゃんの話題がふと途切れたりした時に、かしゆかほど即妙にはつなぎ役が出来なかったんじゃないか、だから(肝心な時に)あまり喋らない、なんてユニット内でのイメージがついてしまったんないか、なんていう気がしてます。


未だにラジオなんかでは、(のっちが)仕事で話すようになったのはここ半年くらい、なんて言われてしまってますからね。


ユニット内での評価は、もうちょっと頑張って欲しいのっち、みたいな感じ、でも例えばジェニーの時のコールなどで観客が一番盛り上がるのはのっちが歌う時だったりする。


みなさんよくご存知の通り、のっちは普段がどうあれ、ステージに立つと非常に目立つ、つい目を奪われてしまう何かを生まれついて持っている人です。


しかもその才能を生かすための努力を多分苦にしないタイプ。

BEEカメ映像の中で、他のメンバーが(かしゆかの場合が多かったかな)一休みしている間も、壁一面の鏡の前で歌い、踊り続けるのっちの姿を覚えておられる方も多いんじゃないか、と思います。


加えて、努力しただけでは決して手に入らないもの(柔軟な関節、長い手足、それを使いこなすための筋力、はっきりとした目鼻立ち、パフォーマンスをより高みに押し上げる集中力)を持っている人。


それがのっち、大本彩乃さんです。


一方あ~ちゃんについては、そのキャラクター面での評価の方が高い。

特に、興味はあるけどファンではない、という人たちにとっては「真ん中の、よく喋る、けっこう面白い、ちょっと天然の子」という印象が強いんじゃないか、と思います。


彼らにとっては、あ~ちゃんの歌唱力、歌声の伸び、きれいなビブラート、曲のイメージによって使い分けられる声のイメージ、本気のダンス、気合を入れた時の身体能力を生かしたダイナミックな動き(多分ストリート系のダンスならあ~ちゃん>のっち)なんてことは視界にも入らないことでしかない。


ファンの中でさえそういう傾向は強いですから。


評価の差、みたいなものはやはり彼女たちにもなんとなく伝わるでしょう。


あ~ちゃんやかしゆかの評価が低いわけではありませんよね、ただ、のっちの、特にダンスパフォーマンスに対する評価、これはもうずば抜けて高い。


身体の動きのキレ、柔軟な関節と長い手足が創り出すフォルムの美しさ、そのフォルムを自らデザインするセンス、しゃかりきになって動いているようには見えないのにスピード感に溢れ、身体はうねり、何よりも凄いのはダンスの合間の決めポーズの際に身体の動きをビタッ、と空中に貼り付けられたように止める筋力。


のっちのダンスを誉めはじめると、言葉が尽きなくなってしまいます。


ユニット内での評価と対外的な評価のズレ。

人間関係の強弱と、才能の多寡。

3人で過ごす時間があまりにも長きに渡ったがために、はっきりと分けられすぎたようにも感じられるキャラクター(あ~ちゃんはガーリー、かしゆかは小悪魔、のっちはボーイッシュ)。


Perfumeというユニットには、宿命的にズレ、ゆがみが生じています。

しかし、それがまた、Perfumeというユニットを、見るものにして興味の尽きない不思議で、キラキラで、魅力的な存在にしています。


のっちはあ~ちゃんを「太陽みたいな人」と言います。


長い時間をともに過ごしてきたからこそ言える本心から出た言葉なんだろう、と思います。


でものっちは一方的に光を浴びて恩恵を蒙っているだけではありません。


あ~ちゃんが太陽で、のっちが月、どう考えてもそんなイメージは浮かんでこないですよね。


あ~ちゃんが太陽なら、のっちも太陽。

実視連星である二つの恒星に照らされる月がかしゆかです。


Perfumeのエースと、Perfumeの女神。


大本彩乃さんと西脇綾香さんは、お互いをより高みに引き上げる、素晴らしいライバル同士。


Perfumeは、本当に凄いユニットなんです▽・w・▽