BEE HIVE寮、と呼ばれる建物に続く長い道。


その道をたくさんの荷物を抱えた3人の少女が、歩いています。


彼女たちは、広島県から出てきたばかり。


2003年、この春に中学校三年生になります。


一番後ろ、前の2人に置いていかれないように懸命に歩く少女。

眉毛を八の字にして、口元をきっとへの字に結んだ少女の名前は大本彩乃、といいます。


えんどう豆みたい、といわれる輪郭の中に大きいけれどやや離れた両目と横に広がる大きな口を収める彼女は、細身で手足が長く、何かダンスを習っていることが明らかなスタイルをしています。


その前、一番前を歩く少女と一番後ろを歩く大本彩乃の間を、まるで2人の距離が離れすぎないよう、ペースを整えるかのように歩いている少女。

後の彼女を思えば、随分とふっくらとした顔の輪郭、小さな目に少し腫れたようにも見える目蓋。


全体の印象は小動物のようなのに、安易に頭を撫でようと手を出すことをためらわせるような、利かん気の強そうな口元からはアメのように甘い声。

彼女の名前は樫野有香といいます。


そして一番前を歩く少女。


彼女はすでに、2人より一足早く寮の玄関前にたどり着きました。

一つ大きく息をして、寮を見上げるくりっとした目とやや大きめの鼻、緊張しているのか、ぎゅっと引き絞られた唇。


まだ幼さの残る他の2人と較べると、心の中に秘めた決意の分だけ大人びて見えます。


ようやく彼女に追いついてきた2人、左側に大本彩乃、右側に樫野有香を従え、真ん中に立つその少女の名前を僕らは知っています。


彼女の名前は、西脇綾香。


Perfumeの、光と影の女神。



……上の文章はもちろんただの妄想。次回より本編です。

いつもの黒猫堂▽・w・▽ですから。

MANSAKUライブまであと2日!