問7~問12まで (問題の出典元:知的財産教育協会)
大問2 著作権法 著作物と著作者大学生甲は,コンテンツの利用方法について,乙と会話をしている。 |
発言1 | 「コンテンツAは,昨年流行した小説を漫画にしたものです。他人がこの漫画を英語に翻訳するためには,漫画家だけでなく小説家の許諾も必要だよね。」 |
発言2 | 「コンテンツBは,2人の画家がお互いにアイデアを出しながら協力して創作した絵画です。他人がこの絵画をブログに掲載するためには,画家2人の許諾が必要だよね。」 |
発言3 | 「コンテンツCは,学生10人がそれぞれ旅行した際の日記をテーマ毎にまとめたものです。このコンテンツCを出版するためには,学生10人の許諾が必要だよね。」 |
以上を前提として,問7~問12に答えなさい。 |
【理由群Ⅱ】 ※同じものを用いてはならない | ア | 編集著作物にあたるため | イ | 二次的著作物にあたるため | ウ | 共同著作物にあたるため | エ | 著作物にあたらないため |
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問7・問8 発言1について:二次的著作物著作権法2条1項11号
二次的著作物とは,著作物を翻訳し,編曲し,若しくは変形し,又は脚色し,映画化し,その他翻案することにより創作した著作物をいう。
著作権法28条
二次的著作物の原著作物の著作者は,当該二次的著作物の利用に関し,この款に規定する権利で当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する。
翻訳するには翻訳権(27条)の許諾が必要である。コンテンツAは小説を漫画にした二次的著作物であるので,漫画家と原作の小説家に許諾を求める必要がある。
したがって,問7
○ 問8
イ が正解
問8・問9 発言2について:共同著作物著作権法2条1項12号
共同著作物とは,二人以上の者が共同して創作した著作物であつて,その各人の寄与を分離して個別的に利用することができないものをいう。
著作権法65条2項
共有著作権は,その共有者全員の合意によらなければ,行使することができない。
コンテンツBは2人の画家が協力した絵画であり,お互いの寄与を分離して個別的に利用することができないので,共同著作物である(2条1項12号)。共同著作物を利用する場合は,各著作者の許諾が必要となる(65条2項)。
したがって,問8
○ 問9
ウ が正解
問10・問11 発言3について:編集著作物
著作権法12条1項
編集物(データベースに該当するものを除く。以下同じ。)でその素材の選択又は配列によつて創作性を有するものは,著作物として保護する。
同2項
前項の規定は,同項の編集物の部分を構成する著作物の著作者の権利に影響を及ぼさない。
コンテンツCは学生10人の日記をまとめた編集物であり,テーマ毎に素材たる日記を選択・配列することによって創作性を有する場合は,編集の著作物として保護される(12条1項)。編集著作物の部分を構成する各日記の著作者の権利に影響を及ぼさないので,コンテンツCを利用する場合は学生10人の許諾が必要となる。
したがって,問10
○ 問11
ア が正解
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