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前の記事⑤はこちらです。
二度目は、その男性と映画を見に行くことになった。
うーん、映画はなんだっただろうか?
織田裕二のホワイトアウトだったかな。
違うかも。
あ、違うな、たぶん。
ホワイトアウトは、観ているうちに、すごく寒くなってしまったことは覚えてるけど。
その日は、長男が同級生家族とゲームセンターへ遊びに行くということだった。
私たちは、映画館やゲームセンターが併設されているショッピングセンターに映画を観に行った。
もしかしたら出くわすかもしれないと思ったら、やはり出くわしてしまった。
エスカレーターを降りているところを目撃された。
少しだけ前の方を歩いている男性が、お見合い相手だと察したようだった。
長男と距離が近づいたので、声をかけたがまったく無視されてしまった。
その日は、子どもの夕食の段取りをしてなかったので、それを理由に男性とは別れた。
夕食の準備をしていると、長男が帰ってきた。
私のほうから話しかける。
「今日、会ったねぇ」
「あの男、誰なん?なんであそこにおったん?」
「あの人、お見合いの相手の人よ。映画を
みにいったんよ」
「ふーん」
「あんた、どんな人か見たろ?」
「ぅ、ぅん」
「どうやった?」
「…おれ、かーちゃんより背の低い男とか、嫌やけ」
ああ、そうなのかとちょっと驚いた。
もしかしたら、見ず知らずの男性と連れだって歩いてることじたいに、嫌悪感を感じたのかもしれない。
しかし、子どもにとっては、母親がお見合いをするというのは、そういうことなんだな、という現実を見せられたわけだ。
まあ、遅かれ早かれ、いつかは直面しなくてはいけない現実だしね。
長男に、背の低い人は嫌だと言われたことは、私の中でかなりひっかかった。
三度目は、その男性が夜になって会いにきた。
車に乗って少し近くを走った。
人気のあまりない路上に車を止めて、少し話をする。
なんとなく、きそうだなという予感。
やっぱり、男性は私の肩に手をまわし、引き寄せようとする。
あー、どうするんだー?
が、私はとっさに身をかわしてしまった。
申し訳なくも、全然その気になってない自分がいた。
自分でも、意識では感じないようにしてたんだろうけど、男性の手が私の頭にとどいた瞬間、体のほうが避けていた。
そのあとどうなったかなあ?
ムリヤリっぽく迫られてきたか、どうだった、あまり覚えてないのだが。
とにかく、そういったわけで、その男性とも、交際へとは進展しなかったのだった。
実は、私も長男も、ほんとうの心の中にあったのは、私より10センチ以上背の高かった、とってもカッコいい元カレの残像だったと思う。
そのときは、そんなこと気がつきもしなかったが。
そして子どもに、お見合い現場を目撃されたのは、後にも先にもその一度だけだった。
まだまだ⑦へ続くよー。
今回も読んでくださってありがとうございました![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/035.gif)
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二度目は、その男性と映画を見に行くことになった。
うーん、映画はなんだっただろうか?
織田裕二のホワイトアウトだったかな。
違うかも。
あ、違うな、たぶん。
ホワイトアウトは、観ているうちに、すごく寒くなってしまったことは覚えてるけど。
その日は、長男が同級生家族とゲームセンターへ遊びに行くということだった。
私たちは、映画館やゲームセンターが併設されているショッピングセンターに映画を観に行った。
もしかしたら出くわすかもしれないと思ったら、やはり出くわしてしまった。
エスカレーターを降りているところを目撃された。
少しだけ前の方を歩いている男性が、お見合い相手だと察したようだった。
長男と距離が近づいたので、声をかけたがまったく無視されてしまった。
その日は、子どもの夕食の段取りをしてなかったので、それを理由に男性とは別れた。
夕食の準備をしていると、長男が帰ってきた。
私のほうから話しかける。
「今日、会ったねぇ」
「あの男、誰なん?なんであそこにおったん?」
「あの人、お見合いの相手の人よ。映画を
みにいったんよ」
「ふーん」
「あんた、どんな人か見たろ?」
「ぅ、ぅん」
「どうやった?」
「…おれ、かーちゃんより背の低い男とか、嫌やけ」
ああ、そうなのかとちょっと驚いた。
もしかしたら、見ず知らずの男性と連れだって歩いてることじたいに、嫌悪感を感じたのかもしれない。
しかし、子どもにとっては、母親がお見合いをするというのは、そういうことなんだな、という現実を見せられたわけだ。
まあ、遅かれ早かれ、いつかは直面しなくてはいけない現実だしね。
長男に、背の低い人は嫌だと言われたことは、私の中でかなりひっかかった。
三度目は、その男性が夜になって会いにきた。
車に乗って少し近くを走った。
人気のあまりない路上に車を止めて、少し話をする。
なんとなく、きそうだなという予感。
やっぱり、男性は私の肩に手をまわし、引き寄せようとする。
あー、どうするんだー?
が、私はとっさに身をかわしてしまった。
申し訳なくも、全然その気になってない自分がいた。
自分でも、意識では感じないようにしてたんだろうけど、男性の手が私の頭にとどいた瞬間、体のほうが避けていた。
そのあとどうなったかなあ?
ムリヤリっぽく迫られてきたか、どうだった、あまり覚えてないのだが。
とにかく、そういったわけで、その男性とも、交際へとは進展しなかったのだった。
実は、私も長男も、ほんとうの心の中にあったのは、私より10センチ以上背の高かった、とってもカッコいい元カレの残像だったと思う。
そのときは、そんなこと気がつきもしなかったが。
そして子どもに、お見合い現場を目撃されたのは、後にも先にもその一度だけだった。
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