昨日、「関西の某LSの入学者の過半数がリピーター」ということを
書きました。
ここにいう「リピーター」とは、
新司法試験受験回数3回を使い切ったいわゆる三振者で、再
び受験資格を得るためにLSに再び入学した者
と定義させていただきます。
このような、リピーターが登場することは、入学したい側の需要と、
入学させる側の供給の問題ですから、一見問題ないかのように思
えます。
しかし、本当に再入学したくてしてる人などだれもいないと思います。
また、再入学してやり直そうといっても、LSと試験はほとんど無関係
(むしろ邪魔)というのが私の考えなので、再入学する人は、ただ受
験資格を再取得することを目的にしているにすぎないと考えられます。
しかも、LSに通うためには、莫大な学費が必要です。
通う都度、借金が膨らんでいくのです。
それは自己責任、というのはそうかもしれません。
しかし、LSが、学生にとって合格につながるような教育をしているの
ならともかく、現実はそうなっておらず、ただ、受験資格要件になっ
ているから行かざるを得なくされているだけのことです。
結局、LSが受験資格要件として強制されていることによる
弊害が、ここでも現れているということです。
再入学となると、たとえば、2004年LS入学した既修者をモデルにする
と、
・2006年卒業
・2006年受験不合格
・2007年受験不合格
・2008年受け控え
・2009年受け控え
・2010年受験不合格(三振)/受けなくても卒業後5年なので失権
と、1回のLS卒業で6年をムダにします。
すると、再入学となると、
・2011年再入学
・2013年卒業
・2013年受験
・2014年受験
・2015年受け控え
・2016年受け控え
・2017年受験(卒業後5年経過でどっちにしても失権する年)
となります。
LSを出てからの受験回数制限を設けた趣旨としては、
長期間受験の弊害の除去
というところが挙げられていましたが、リピーターの再入学が今後も
増えるのであれば、この趣旨とは大きく矛盾します。
今後、リピーターが増加するかはわかりません。もはや法曹という
職種が、その投下資本に比して経済的魅力のない職種と思われつ
つあるからです。まして再入学となると、要する投下資本は倍にな
ります。
ただ、いわゆる下位ローは、リピーターいう「需要」が増えることを
望んでいるはずです。そうでないと、経営上LSを維持できないから
です。
こうなれば、LSはまさに「司法試験受験資格付与機関」です。
もっといえば、受験生側の、法曹になりたいという夢を食い物
にして、そのために必要なもの(受験資格)を、高額で売りつ
ける商売です。
これが、今の法曹養成制度の、当初予定していた姿だとは、
私には到底思えません。
が、これが現実なのです。
こんな商売がいつまで続くのか見物です。
それでもLS中心の法曹養成制度を堅持しろ、と言っている人
たちは、この「商売」が長続きすると信じているのでしょう。
おめでたい話ですね。