法科大学院適性試験。受験者がほとんどいなくなりました。まだやんの? | 向原総合法律事務所/福岡の家電弁護士のブログ

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出願者7年連続で減少~適性試験(週刊法律新聞平成22年6月4日号)によると
「大学入試センターは5月28日、20日に実施される平成22年度法科大学院適性試験に8650人が出願したと発表した。前年と比較すると、16%減で、7年連続の減少となった。同センターが実施する適性試験の出願者は、15年度の開始から、終了する22年度までで、約3万人減少したことになった。」

適性試験というのは、法科大学院入学を希望する全員が、嫌でも受けなくてはいけない試験です。
ですから、適性試験の数を見ると、法科大学院に入学を希望する実数が分かります※1。
これが、開始時である平成15年度から3万人減少、ということは、3万8000人から8650人まで減ったということです。

これって、「適性試験受験者は、ほとんどいなくなりました。」と書いたほうがいいんじゃないのか?


適性試験は、大学入試センターが主催していましたが※2、今年度の実施をもって撤退することになりました。
なぜだからは知りません。法科大学院創設当初の計画では、今頃は、適性試験を毎年10万人近くが受ける予定だったように記憶しています。適性試験の受験料は1万円ですから、計画通りなら、10億円の収入になっていたのでしょう。ところが予想通り儲からないから撤退したんじゃないかと勘ぐりたくなります。
しかし、今後は、適性試験管理委員会なる新たな集団が、適性試験を司ることになるようです。
そこまでしてやる試験か?って感じなんですが。
実際受けてみると、法律とはなんにも関係ありません。ただのパズルテストです。
知能を試すテストなんでしょうけど、それで適性の有無なんて判断できるんかいな。
だったらなぜこれだけ新司法試験で不合格者が出るのか教えてください。※3

趣旨不明の、法律と何の関係もない適性試験で1万円を徴収され、
合格は目的ではない・法曹にならなくても会社員や公務員になればいいなどと明言しつつチャッカリ年間80万~200万程度の学費を2~3年にわたって徴収し続ける法科大学院に行かされ、
最後の新司法試験は受験料2万8000円。

いろんなところに吸い取られるのが、今の司法試験受験生なのでした。
そりゃ志願者減るわ。
小学生でもわかるだろ。

予備校に吸い取られた方がずっとずっとマシですよ。
少なくとも、合格者が教えてくれるし。
合格だけを考えろ!と言ってくれるし。

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※1 法科大学院バブルのころ、いかにも法科大学院は流行ってるんだぞと見せかけるためか、「法科大学院志願者が○万人」とか新聞記事に書いている時代もありましたが、それは延べ人数です。志願者数は初年度の募集以降、一度も増えたことはありません。さわやかに崩壊してますね!
※2 他にも日弁連がやってますが、大学入試センターの適性試験は全法科大学院で通用力があるので、こっちのほうが人気があります(といっても8650人ぽっちしか受けてませんけど)。
※3 きっと、新司法試験の問題が悪いんだ!と言われるんでしょうね。