「でも、まだたった4日しか働いてないし、あたし 通いで良かったら」
昔から無駄に勤勉な琴子は、大失敗&絶大なる被害をものともせず自分の力量を測る事なく試そうとする。
「いいっ いいからっ のしつけてお返しするからな、ダンナさんっも――来るなよっ」って店主が青い顔をして全力で断っていた。
本当申し訳ない。琴子を野放しにした俺の責任です。
俺は店主に「ずい分、ご迷惑かけたようで」と素直に頭を下げた。
勿論琴子の給料は店の損失に補填してもらう為辞退した。
店主は最後まで払わないと後が怖いと怯えていたが、琴子をタダで泊めてもらった俺としては給料までもらうと心が痛い。
琴子が店を辞める事に関しては特に問題がなかったが(逆に熨斗を付けて戻されそうな感じではあった)店の人手が足りないのは確かなので、琴子の世話をしてもらった分何か返したいとは思う。
俺は帰ったらおふくろと親父にそれとなく相談しようと思いつつ・・・お義父さんにも頭を下げないとなと夕焼けに変わる空を見ながら思った。
帰りがけ、迷惑かけた奴らに謝りに行くリスト作成の為、琴子にさりげなく問いかける。
すると琴子は相変わらずピントのズレた返答を返した。
「淳平くんの部屋奪っちゃって、怒られたなー」
淳平って誰だよと思ったが、琴子がその後に小森の年の離れた弟だと言ったので、小森宅には子供の好きそうな菓子でも差し入れするかと頭で算段する。
「だけど、大学4月からちょっとさみしーな」と呟く。
石川が就職浪人だと言ってたろーが。どこが寂しいだよ
金之助だってお前を諦めず食堂に居るし、F組の面々もそこそこ・・・
「じん子も卒業して就職だし、なんたって入江くんとはなればなれっていうのが一番辛かったの」と言う。
は!? 意味が分からん。
「そりゃ家では会えるけどね・・・」とため息をつく琴子に、もしかしてとかまをかけて「あれ? お前知らなかったの」と聞いてみる。
「医学部って6年制だから、俺はあと2年大学に通うぜ」
琴子の驚愕する顔。当たりだった様だ。
「どっ どーして、そ、それを早くいって・・・」って・・・、俺は「はぁ」とため息をつくしかなかった。
「あ、あたし、な、なんの為に家出して・・・」
「そんなことしんねーだろ」と言いながら、そんな事でいちいち家出すんなと心の中で悪態をついた俺だった。
家なんか出たら余計会えなくなるだろうが・・・分かれよ、この馬鹿っ
昔から無駄に勤勉な琴子は、大失敗&絶大なる被害をものともせず自分の力量を測る事なく試そうとする。
「いいっ いいからっ のしつけてお返しするからな、ダンナさんっも――来るなよっ」って店主が青い顔をして全力で断っていた。
本当申し訳ない。琴子を野放しにした俺の責任です。
俺は店主に「ずい分、ご迷惑かけたようで」と素直に頭を下げた。
勿論琴子の給料は店の損失に補填してもらう為辞退した。
店主は最後まで払わないと後が怖いと怯えていたが、琴子をタダで泊めてもらった俺としては給料までもらうと心が痛い。
琴子が店を辞める事に関しては特に問題がなかったが(逆に熨斗を付けて戻されそうな感じではあった)店の人手が足りないのは確かなので、琴子の世話をしてもらった分何か返したいとは思う。
俺は帰ったらおふくろと親父にそれとなく相談しようと思いつつ・・・お義父さんにも頭を下げないとなと夕焼けに変わる空を見ながら思った。
帰りがけ、迷惑かけた奴らに謝りに行くリスト作成の為、琴子にさりげなく問いかける。
すると琴子は相変わらずピントのズレた返答を返した。
「淳平くんの部屋奪っちゃって、怒られたなー」
淳平って誰だよと思ったが、琴子がその後に小森の年の離れた弟だと言ったので、小森宅には子供の好きそうな菓子でも差し入れするかと頭で算段する。
「だけど、大学4月からちょっとさみしーな」と呟く。
石川が就職浪人だと言ってたろーが。どこが寂しいだよ
金之助だってお前を諦めず食堂に居るし、F組の面々もそこそこ・・・
「じん子も卒業して就職だし、なんたって入江くんとはなればなれっていうのが一番辛かったの」と言う。
は!? 意味が分からん。
「そりゃ家では会えるけどね・・・」とため息をつく琴子に、もしかしてとかまをかけて「あれ? お前知らなかったの」と聞いてみる。
「医学部って6年制だから、俺はあと2年大学に通うぜ」
琴子の驚愕する顔。当たりだった様だ。
「どっ どーして、そ、それを早くいって・・・」って・・・、俺は「はぁ」とため息をつくしかなかった。
「あ、あたし、な、なんの為に家出して・・・」
「そんなことしんねーだろ」と言いながら、そんな事でいちいち家出すんなと心の中で悪態をついた俺だった。
家なんか出たら余計会えなくなるだろうが・・・分かれよ、この馬鹿っ