行きはおふくろが車で送るときかないので素直に言う事を聞いたが、帰りは友達と飲むかもしれないという理由で琴子とは一緒に帰らないと言ったら並んで写真を撮らされた。

ただ・・・高校卒業時の頃とは違って気持ちを理解しているのでそこまで意固地に突っぱねる事はせず、撮りたいならば撮ればといったスタンスで写真を撮る。

惰性というか慣れもあるよな。元々写真が好きじゃない上に今は恋愛をしている余裕がない。

加えて相手は琴子だ。金之助が騒ぐくらいで特にこいつを狙う酔狂な奴は・・・昔、居たがもう片付いた。

琴子も琴子で20歳の誕生日を過ぎても俺一筋に追いかけている。

いつか・・・何年後かにはこいつの夢を叶えてやる日が来るのだろうか!?

流石に今年ではない事は理解している。

少し引っかかりはするが、寝言を気にしている場合じゃない上、俺は現実主義だ。

何度か見た夢から、琴子と夫婦になって子供を作ったとしたら・・・な仮定は成り立つ証明をしても良いつもりはある。

けれど・・・考えたところで堂々巡り。試験を受けるまでその先は考えるまい。

例え、トップの成績で試験をクリアーしたとしても、親が口を出すとこの夢はあっさり潰えるだろう。

親父の秘書をして分かった。俺が思っていたよりも重圧が掛かる次期社長の椅子。

経営を任せたいと言われたら・・・出来るという自負はある。

しかし、オモチャをクリエイティブに創造して子供達の笑顔を追及できるかというと俺には向かないだろう。

あの時、俺を支えたのは琴子の笑顔だけだった。たった一言『胸キュンだけどな』なんて馬鹿げたセリフから大ヒットのオモチャが出来た。

それは俺の頭脳があってのものだが・・・。

だが、一人で見たアニメからはまったくアイディアが浮かばなかったのに、琴子が来て無駄口を叩いた途端に思いつくとは。このペアならばいけるのか!?と初めて思えた。

脅された中間テスト、二人きりで過ごした夏休み最後の夜、下敷きにした詫びにおぶった体育祭、とうとうF組全員の面倒まで見る羽目になった期末テスト、本人は居ないのにまるで代理の様なお守りのせいで悲惨な目にあったセンター試験、その後のT大受験も人の後をついてきて急性盲腸を起こしてくれるし・・・。

実はあの時も思った。何の知識もない俺ではどこが悪いのか分からない・・・と。

予測通り盲腸で良かったが、万一子宮だったら?? 若いだけに悪性腫瘍の場合は命を落とす事態になりかねない。

裕樹だって腸捻転だったし・・・家族の2度の入院を見て、病気・医療に興味を引かれたのは嘘じゃない。

何もできなかったという事実に打ちのめされ、何が天才だと自分を罵倒しもっと知識を・・・と求めた。

夏に清里でバイトをしていた時、おじさんが「母ちゃん、今頃イリちゃん家に行ってっかなぁ・・・」と言われて悪いと思いつつも病気について教えてもらった。

「いやー母ちゃん、すぐ逝っちまったからよぉ」と軽く流されたから詳しく聞けず終いだったけどな。

結局悩みに悩んで・・・願書を貰ったのはパンダイのアルバイト後だった。

まだ夢を決めて2ヶ月ほど・・・。もう20歳なのに何をやってるんだか。

それでも・・・俺の隣に居る琴子に勝っている事だけは確か。こいつの夢はまだ未定なままだから。

いや、俺に認めさせる点数を取って『彼女』になる事か。叶わないとはいえ、夢の先輩だな。

そんな事を思いながら成人式の会場へ向かったのだった。

* * *
ようやく続きをアップ出来ました(^^; 来週は来週で用事がありまして・・・ガックリ
2月も息子の小学校の入学体験など行事が盛りだくさん。
春よー、遠き春よー まぶた閉じれば寝落ちぐぅぐぅ(疲労度MAX) 夢の中でも子供が元気に舞ってます(笑)
という事で、まだ雪景色しか見えないので当分成人式から抜けられない事でしょう雪の結晶 続き書かねば・・・。
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