2桁の売上成長続くも、雌伏期の続くVOYAGE GROUP(3688)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3688】VOYAGE GROUP(東証一部) ---

現在値 1,112円/100株 PER18.4 PBR 1.82 9月配当優待 3月優待

メディア向け広告配信プラットフォーム企画・運営。販促支援サイトも展開。

配当金は9月一括の10円配当のため、配当利回りは0.9%となります。
VOYAGE GROUPは株主優待制度を実施しており、3月末・9月末の株主に
対して、"nanaco"や"WAON"等に交換可能な1,000円相当のギフトコードを
進呈しておりますので、単元保有時の配当優待利回りは約2.7%となります。


業績を確認していきます。
■2013年9月期 売上高 98.5億円、営業利益 5.3億円 EPS 24.0円  
■2014年9月期 売上高 150億円、営業利益 18.8億円 EPS 104円
■2015年9月期 売上高 177億円、営業利益 22.3億円 EPS 146円
■2016年9月期 売上高 208億円、営業利益 17.2億円 EPS 61.8円 
■2017年9月期 売上高 230億円、営業利益 12.0億円 EPS 59.1円 ce
□2017年3月中 売上高 107億円、営業利益 9.8億円 EPS 49.8円 四e

2016年9月期通期の売上高は前期比17.5%増の208億円、営業利益は同
23.1%減の17.2億円となり、売上高は期初予想上限(205億円)を超過した
ものの、営業利益は同下限(20億円)を下回りました。主力のアドプラット
ホーム事業における広告主の増加やアドテク機能の拡充により順調に
成長したものの、設備投資や人件費の増加で大幅減益となりました。


なお、2017年9月期の予算については売上高は10.4%増の230億円、営業
利益は30.3%減の12億円と連続減益を予想しております。引き続きネット
広告業界自体の成長により業績の拡大が見込まれるほか、主力のSSP
である「fluct」の機能拡充や、昨年に株を買い増して完全子会社化した
「ゴールドスポット」によるプレミアムメディアへの訴求拡大が期待される
ことなどにより、2桁のトップライングロースを確保する見通しです。一方、
DSPでの機能拡充投資や、ポイントメディア事業におけるスマホ領域へ
の投資を進めるため、全社的な費用先行傾向が継続する見込みです。

トピックとしては、昨年10月に約6.8億円を投じてVC各社から株式取得し、
連結子会社化(58.3%)した
「CMerTV」が有望と思われます。インターネット
動画広告の配信プラットフォームを開発・配信する同社は、ニッポン放送
出身の五十嵐社長が率いており、直近3期の売上高が【2.7→5.1→7.0億
円(2016.3】と飛躍的に増加しているほか、既にナショナルクライアントを
何社も抱えております。同社は今期からフルに寄与することから、DSP側
で非常に訴求力のあるテコ入れ策として機能することが期待されます。

当社はネット業界では老舗であり、宇佐美社長は前社名である「アクシブ
ドットコム」とともに、旧サイバー系の有力ネット企業として、2014年7月に
マザーズに上場しました。その際に@2,400円で12億円を調達しましたが、
株価は見せ場なく右肩下がりとなっています。ただネット業界では地力と
知名度が非常に高い会社で、サイバー同様にそこそこ優秀な新卒を採用
可能な会社ですので、利益がジリ貧でも売上2桁成長が継続する限りは、
どこかで反転するポテンシャルのある会社であろうかと考えています。

(※逆に当社クラスのネット企業でありながら、ここまで先行投資にお金を
費やさないと生き残れないというのは、ネット広告業界がレッドオーシャン
ということなのですが・・・・それはまた別のお話ということで)


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基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

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