ラネットがBS11規模に成長、10年ぶり増配のビックカメラ(3048)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3048】ビックカメラ(東証1部) --

現在値 1,003円/100株 PER14.5 PBR1.69 8月配当優待 2月配当優待

家電量販大手。ターミナル駅周辺で大型店。傘下にソフマップ・コジマ。
配当は2月8月の年2回・合計12円のため、配当利回りは1.20%となります。

ビックカメラは株主優待を実施しており、2末8末に100株以上を保有する
株主に対して3,000円分(通年合計額)の優待券を進呈しておりますので、
配当優待利回りは4.18%となります。なお1年以上の長期保有で+1,000円、
2年以上の長期保有で+2,000円が追加されるため、利回りが上昇します。

業績を確認していきます。
■2013年8月期 売上高 8,053億円、経常利益 153億円、EPS 14.2円  
■2014年8月期 売上高 8,298億円、経常利益 240億円、EPS 57.4円
■2015年8月期 売上高 7,953億円、経常利益 204億円、EPS 39.2円
■2016年8月期 売上高 7,790億円、経常利益 230億円、EPS 65.9円 
■2017年8月期 売上高 8,000億円、経常利益 242億円、EPS 69.7円 ce
□2017年2月中 売上高 3,950億円、経常利益 109億円、EPS 34.1円 ce

2016年8月期の売上高は前期比微減の7,790億円、経常利益は同13.1%増
の230億円となりました。理美容・白物家電の販売が伸びたものの、AV系
の商品が伸び悩んだものの、コジマとのシステム・物流統合効果の発現と
子会社のラネット・BS11の利益貢献があったため、売上高こそ目標に届
かなかったものの、利益は2Q増額修正後の目標から更に上ぶれしました。

なお2017年8月期の予想売上高は前期比微増となる8,000億円、経常利益
は4.9%増の242億円を予想しております。新店は9月に開業済の広島駅前
と来年4月に名古屋駅前の計2店を予定しているほか、この他にコジマとの
合名店舗として、ひばりヶ丘・広島府中・堺鉄砲町等を予定しているため、
今期は3期ぶりのトップライングロースの期待がかかります。

また標題のとおり、当社100%子会社で携帯販売とMVNO事業を展開する
ラネット社が売上高1,000億円弱・営業利益23億円(前期比13億円増!)で
BS11(営業利益21億円)を超える規模に成長しているのが特筆事項です。
しかもBS11は上場子会社であり、持分である6割強しか取り込めないこと
を考慮すると、当社グループでの位置付けはBS11よりも大きくなります。

当社は2021年8月期に売上高1兆円を目指しているため、ラネットやBS11
といった優良子会社を育てるほか、PB商品の充実や、家電・住設機器を
軸とした住宅リフォームの展開(※この辺はヤマダの方がはるかに先行)
により、事業ドメインを拡大していく青写真を描いています。

ただ、2016年8月期の営業最高益達成で一服したのもまた事実のようで、
上場してから10年間据え置いてきた10円配(※2007年8月期のみ15円配)
をついに2円増配して12円配としました。一時はボロボロだった財務状況も
ここ数年の利益の積み上げにより、自己資本比率は32.0%にまで改善して
いるため、低金利の追い風が吹く状況下ではあるものの、経営にはかなり
余裕が出てきた印象を持っています。今期の再増配に期待がかかります。

*参考記事① 1,018円 2016-06-11 --
春秋航空や日本空港ビル提携で外需取込を加速、ビックカメラ(3048)。

*参考記事② 999円 2015-12-20 --
コジマの閉鎖一巡とBS11続伸で反転増へ、ビックカメラ(3048)。

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