中計前倒とSIA買収で飛躍、ヒューリック(3003)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3003】 ヒューリック (東証1部) --

現在値 1,076円/100株 PER22.0 PBR2.23 6月配当 12月配当優待

旧富士銀行の銀行店舗ビル管理から出発。好物件所有、物件多角化。
配当金は年2回の8円ずつの配当で、配当利回りは1.52%となります。

ヒューリックは株主優待制度を導入しており、12月末に300株以上を
保有する株主に対して、3,000円相当のグルメカタログを進呈してい
ますので、配当金と合計した配当優待利回りは、約2.41%となります。

業績を確認していきます。
■2013年12月期 売上高 1,084億円、経常利益 259億円 EPS 27.0円  
■2014年12月期 売上高 2,124億円、経常利益 343億円 EPS 37.7円
■2015年12月期 売上高 1,699億円、経常利益 425億円 EPS 52.8円
■2016年12月期 売上高 2,100億円、経常利益 470億円 EPS 46.3円 四e
□2015年6月中間 売上高 1,000億円、経常利益 225億円 EPS 23.5円 四e

2015年12月期の売上高は前期比20.1%減の1,699億円、経常利益は同
23.4%増の425億円となり、上場来の最高益連続更新を達成しました。
トップラインが大幅にショートしたのは、傘下のREITへの物件売却を
見送った影響によるものが主な要因ですが、それでも利益については
海外不動産の売却などで辻褄を合わせて増額着地させております。

なお今2016年12月期については、売上高が約20%増の2,000億円、経常
利益が10.4%増の470億円を予想しています(※会社側の通期売上高予
想・および中間売上高・利益予想開示なし)。ここ6期に渡り年率20%を
超える経常利益成長を果たしているため、金額グロスが大きくなって
いる分、今期は10%増と控えめな計画になっていますが、前述のREIT
売却先送り等の寄与もあるので、会社予想は保守的かと思います。

標題にも記した3年中計は前期で前倒達成となったため、今期を初年度
とするローリング後の新中計が開示されており、3年後の2018年3月期
の目標経常利益は610-640億(経常CAGR約13-14%)を予想しています。
併せてROE10%・配当性向30%も示されていますが、現水準で既にクリア
されているので、特段の目新しさはありません。

これまでの当社の業績推移を確認するに、新中計も1年前倒しのペース
で進捗していくと思われますが、ネックとなるのが2015年4月に行った公
募増資約800億円(@1,274円)の際の株価を回復できていないことです。
昨今のマイナス金利でデットとバランスシートを膨らますチャンスが到
来していますが、種となる自己資金の追加調達が難しい状況のため
しばらくは財務の見た目を無視して突き進んでいくのかもしれません。
(※ユニゾも同様の傾向ですが、ユニゾは上手く増資をこなしている)

当社の場合、合併した昭栄の隠し玉や高齢者施設・病院の立替といった
パイが大きい分野への進出を着実に進めていることや、浅草にホテルを
1物件持つに過ぎなかった観光事業が、日本ビューホテルとの資本業務
提携やカトープレジャーとの提携、舞浜周りのホテル取得など飛躍的な
成長を遂げているため、業容拡大のポテンシャルがもの凄く高いので、
無理して増資をしなくとも、力押しで業績を作れる可能性があります。

特に昨年末にみずほ信託と共同でシンプレクスを買収したことで新たな
成長ドライバー(出口とも言う)が確保出来たため、向こう3年についての
当社株への評価は"グロース株"のそれとして良いかと考えています。

*参考記事① 2013-03-08 722円 --
ヒューリック(3003)の豪華株主優待が到着。

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