●【テロ等準備罪】
社民・福島瑞穂氏
「『しばいたろか』で犯罪」
自由・山本太郎氏「トンカチ買ったら準備罪」
 全国で“共謀罪”反対デモ、山手線内でプラカード強行
山本太郎氏「共謀罪」反対デモ

2017年4月23日 23時8分

産経新聞

共謀罪の構成要件を厳格化した「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案に反対するデモ活動が

23日、「共謀罪の創設に反対する百人委員会」の呼びかけにより、

東京や福岡など全国約20カ所で一斉に行われた。

 JR山手線の車両内では、プラカードを首からさげるなどのパフォーマンスも行った。

東京都新宿区の新宿駅西口では、

自由党の山本太郎共同代表、

社民党の福島瑞穂副党首らが

マイクを握り、
「共謀罪は現代の治安維持法」などと訴え、

テロ等準備罪成立の危険性をあおった。

詳報は以下の通り。

 ◇

山本太郎氏
「殺人など凶悪犯罪の場合であれば、

相談の段階で取り締まれるものもある。

でも、今やろうとしていることは全く違う。

私とあなたが何かについて話し合う。

その時点で

共謀です。

あいつ、むかつくな。

殴ってやろうか。

共謀成立、相談成立です」

 「その話し合った後に、なんとなくコンビニに立ち寄って、

お金を下ろす。

1万円を下ろす。

これ準備だっていう話にされてしまいかねない話なんです。

むちゃくちゃでしょ」

 「酒に酔ったり、ストレスを抱えたりしている人が思わず口走ってしまうような言葉が、
(共謀罪の対象になる)

可能性があるんです。

隣の車、またうちの家の駐車場にとめている。

これ、頭きますよね。

『頭くるな、あいつ。

フロントガラス、割ってやろうか』

でも、この時点で犯罪ですか。

日曜大工の店に行って、

トンカチを買ったと。

これ、準備とされてしまう恐れもあるんです。

非常に恐ろしい話なんです」

 「権力を持つ者が考えるものは一つです。

いかにこの国に生きる人々を

簡単に

コントロールするか

ということなんです。

政府が考える不都合なことに

突っ込みを入れる者は

一番、うっとうしい存在なんです。

何が言いたいか。

この共謀罪は

政治に対して、

まっとうな意見をすることを、

つぶすための法案だと

言って過言ではないんですよ」

 「政府は日本で東京五輪を成功させるには、

テロ等準備罪が必要だ。

これがなければ五輪は開けないと

デタラメを言っています。

でも、それによって

あなたの権利が

侵害されるんだよ。

全員が“潜在的犯罪者”と扱われ、

皆さんの通信は

何か悪い相談をするんじゃないかと、

片っ端から

疑いをかけられ、

一方的に情報を収集される。

そんなバカみたいな話は

許されていいんですか。

こういう手口、

ナチスが

そのままプロパガンダに

使っていた

やり方なんですよ」

 福島瑞穂氏

「みなさん、3度廃案になった共謀罪、4度目の廃案にするために、

どうか力を合わせていきましょう。

あの小泉純一郎元首相ですら

『現在の治安維持法を成立された人と言われたくないもんね』

と言ったとも言われています」

 「なんで、300以上の犯罪が

共謀罪の対象になるんでしょうか。

いっぱい窃盗も傷害も入っているんですね。

森林法も入っています。

そしたら、衆院の法務委員会で

山へキノコを採りに行こうと言ったら、

森林法の共謀罪が成立しうると。

そんなおじいさんが、

山へ芝刈りに行こうかと、おばあさんに言ったら

森林法の共謀罪なんですか」

 「共謀が怖いのは、

目配せでも共謀が成立する。

黙っていても共謀が成立する。

だから、皆さんここでやっつけよう、やっつけよう。

皆さん、死んでいなければ共謀罪が成立する。

『いてもうたろか、あいつしばいたろか』、

こんな何気ない大阪弁も犯罪に…。

軽口もたたけないよね。

でもこんな世の中、

皆さん、やだって思いませんか」

 「金田勝年法相。

LINEやメールも

共謀罪の手段となりうると言っちゃいました。

捜査方法が変わって本当に

危険になると思います。

準備行為をやる前に

捜査ができると言ったんですね。

どこまで早く捜査が始まるんだという感じなんです。

現代の治安維持法、

狙っているんですね」

 「10代の若者たちが

『じゃあ、万引しようか』

と話し合って歩き出したら、

共謀罪の成立なんですよ。

これ、テロ対策とは

関係ありません。

テロ等準備罪と言っているけど、

テロと関係はないんですね。

テロに関する条約、

日本すべて批准します。

しかも、テロ対策というなら、

戦争をしないこと、

そして、世界の敵を作らないこと。

日本を戦場にしないっていうことも大事ですが、

このテロ等準備罪に

だまされるなって言いたい」

 平岡秀夫元法相
「安倍晋三さんが首相でいるときに共謀罪ができたら、

どういうことになっていくか。

安倍さん、この前、あるデパートに行って

『山口県の物産が置いてあるかどうか分からないけれども、

山口県の物産を置いてくださいね。

私の気持ちを忖度(そんたく)してくださいね』

と言った。

そうなんです。

いま、日本の社会、

特に

権力者につながっている所は、

忖度する状況になっているんです!」

 「森友学園の問題で、

財務省が忖度して

行動していたといわれています。

2014年に内閣人事局ができました。

これは、政府の中央省庁の局長クラス以上の人たちの

人事を全部見ているんです。

安倍さんの意向を忖度しないで

行動する官僚は

出世ができなくなっているんです。

忖度した人だけが、

出世をしていく。

こんな状況に

今、官僚の社会は

なっているんですよね」

 「裁判所も

今や忖度の世界になっているといわれています。

例えば、原発訴訟で

原発を止めるような判決を出した裁判官は

みな左遷です。

だから、将来のある裁判官は、

原発訴訟がでれば

政権の意向を

忖度して

原発が止まらないような判決を出す。

原発を止めるような判決を出すような裁判官は、

もうそろそろ辞める人か、

どうしようもないから、

どっちでもいいというふうに思われている裁判官しか、

原発を止めるような裁判はしないんです」

 「自民党の中も、

昔はハト派も、リベラルの人もいた。

だけど、今や、

安倍さんの

言うことしか聞けない。

安倍さんの言うことを聞く人しか出世をしない。

こんな社会で

共謀罪ができたら、

安倍さんが考えている

政策とか、

方針とか、

これに逆らうような人たちは、

狙い撃ちをされて、

そして、

この共謀罪に問われていく」

 「昔、治安維持法がありました。

1925年にできて、

1945年の10月に廃止になりました。

この治安維持法も

最初できたときは、

これは善良な市民には関係ありません。

これは国体を批判する人、そして、私有財産制を批判する人たちに対してだけ

適用する法律なんです。

けれども、

どんどん拡大解釈され、

一部改正をされて、

非常に、多くの人たちが

この治安維持法に問われることになりました」