この時期に中東を訪問する安倍首相は、バカだなあ、と思った。

人質の2人の日本人は、去年(2014年)の夏に拘束されたというから、

安倍首相が中東を訪問しなければ、こんなことにはならなかったはず。

安倍首相の中東訪問に合わせた脅迫なのです。

ISISは(私(ロクハン)は、「イスラム国」とは言わない)、問答無用の集団だから、

通常の感覚では対応ができない。

2億ドルを人道支援に使う、と言っても、ISISは、言うことを聞く人たちではない。

安倍首相も主体性の無い日本人だから、優柔不断なのです。

フランスのテロで、人質を2人、死亡させたが、

日本は、そんな過激なことはできない。

黙って見てて、人質は殺されるでしょう。

それが、決断力の無い日本人なのです。



●朝日新聞社説
●イスラム国-許しがたい蛮行だ

 社説(01/21)

 過激派組織「イスラム国」が、その凶暴な刃を日本人にも向けた。

 日本人2人を人質とし、72時間以内に2億ドルを支払わなければ殺害すると脅迫するビデオをインターネットで公開した。

 人命の重みを顧みず、国際社会に恐怖を与えて優位に立とうとするふるまいは、身勝手で、許されるものではない。

「イスラム国」はすみやかに2人を解放すべきだ。

 「イスラム国」は昨年 6月、カリフ(預言者ムハンマドの後継者)制国家の樹立を一方的に宣言し、シリアとイラクで勢力を広げた。

昨年来、欧米人らを拘束し、一部を殺害し、映像をネット上で公開してきた。

被害者はジャーナリスト、援助活動家など、現地情勢を憂慮する民間人だった。

 今回の事態は、「イスラム国」の脅威が遠い世界の出来事ではなく、日本と直接つながりがあることを如実に示した。

 ビデオの中で脅迫者は、中東訪問中の安倍首相が2億ドルを「イスラム国」対策として避難民支援にあてると表明したことに矛先を向けた。

首相の中東訪問のタイミングを狙った脅しとみられる。

 しかし、日本からの医療や食料の提供は、住んでいた街や国を追われる人たちが激増するなかで、不可欠の人道的な援助である。

「イスラム国」に向けた攻撃ではなく、脅迫者たちの批判は筋違いだ。

 安倍首相は記者会見で「許し難いテロ行為に強い憤りを覚える」と述べ、

中東地域の平和や安定を取り戻すための非軍事の支援を続けていく意思を強調した。

毅然(きぜん)として向き合っていくべきだろう。

 「イスラム国」は暴力的な戦闘行為を続けることを存立基盤としており、その統治システムも判然としない。

今までの国際社会のルールも通用しない。

そんな相手と対峙(たいじ)することは容易ではないだろう。

 一方、国際協調なしにテロ行為には対処できない。

日本政府は関係各国と連携して情報を集め、2人の救出に向け粘り強く交渉していく必要がある。

 2人が拘束された経緯ははっきりしないが、どんな事情で現地にいたにせよ、人命の重みを最優先に対応すべきだ。

 米国などが実施する「イスラム国」の空爆に日本は関与せず、人々の生命と生活を守ることに焦点をあててきた。

 これまで培ってきた中東地域との協力関係もある。

「イスラム国」が暴挙を重ねることのないよう伝えていくしかない。

(01/21 02:09)



●「天声人語」
●戦争や紛争のさなかで取材するジャーナリストは、様々…

1月21日 02:12

 戦争や紛争のさなかで取材するジャーナリストは、様々な危険に出くわす。

敵意を持った相手もいる。

1960年代、「泥と炎」のベトナム戦争でまず名を上げた日本人カメラマン岡村昭彦は、笑顔が大事という持論を持っていた。

▼「世界のどこへ行っても、相手が拒否できない笑顔を自分が持っているかどうかで、生き延びられるかどうかまで決まる」と。

しかしその笑顔も、相手が狂気じみていては、いかんともしがたい。

▼過激派組織「イスラム国」が発信したとされる映像は、

2人の日本人を盾として、身代金を払わなければ殺すと脅迫している。

2人はジャーナリストと、昨夏に拘束が伝えられた男性とみられる。

人道にもとる卑劣な行為を、強く非難する。

▼世界から戦闘員を集め、加わった者が離脱しようとすると、殺しているとも伝えられる。

胸の悪くなる悪行の数々を書くのは控えたいが、

もはや遠方のできごとではなくなった。

欧米メディアは日本人を初めて人質にしたことを広く報じている。

▼脅迫の映像は日本について、「十字軍への参加を志願した」と非難している。

十字軍とは、中世欧州のキリスト教徒による対イスラム遠征軍をいう。

政府は、日本の関与が難民支援など非軍事であることを、あらゆる手段で伝えてほしい。

▼映像が本物なら、猶予の72時間という砂時計はこの瞬間も落ちていく。

平和国家として中東諸国でも認識され、信頼を集めてきた。

戦後の歳月で培ってきた強みをここで生かさぬ手はない。

■朝日新聞社