●購入電力ゼロでも

年1千億円支払い

 東電、他社に3年間

6月5日 00:24

 東京電力が今年度から3年間、

再稼働が見込めないのに、
他社の原発から電力を買う「購入電力料」を

毎年1002億円ずつ支払うことがわかった。

 どれだけの電力を買ったかに関わらず、

一定の金額を支払う契約になっているためだという。

 しかし、この費用も

家庭向け電気料金の

値上げ分に

含んでいる。

 東電が4日、

料金値上げを審査している経済産業省の有識者会議「電気料金審査専門委員会」に示した。

 この1002億円分の原価(費用など)が減れば、

料金の値上げ率は

今の平均10.28%から

平均8%台へと

小さくなるという。

 東電は、日本原子力発電の東海第二発電所(茨城県)と、

東北電力の女川(おながわ)原発(宮城県)、

東通(ひがしどおり)原発(青森県)から

電力を長期間

買う契約を結んでいる。

 2008年度には2社から計106億キロワット時の電力を買い、

計1千億円を支払った。

 だが12~14年度は

購入電力がゼロになる見通しなのに、

1002億円を支払うという。

 契約では、原発が発電していなくても

「固定費」を支払うことになっている。

 この固定費には、2社の原発施設の減価償却費や

修繕費、役員や

社員の給料などのほか、

広告費や地元自治体への寄付金などまで含まれている。

 電力を買っていたころより

金額が2億円増えているのは「

東日本大震災で被災し、修繕費や点検にかかる費用がふくらんだため」(東電)という。

 専門委員会では

「動かない原発まで

利用者が

負担するのはおかしい」

との指摘が出た。

 今後、契約の中身を細かく点検して

2社への支払いを減らしたり、

購入電力料を料金値上げの原価からはずしたりできないかを検証する。

 次回の専門委員会は6月12日に開く。

■朝日新聞社