鉄の女たち | It's a small WORLD!

鉄の女たち

ドキュメンタリーの試写会に行って来ました。


タイトルは「リベリアの鉄の女たち(Iron Ladies of Liberia )」。


アフリカで初の女性大統領であるリベリアのエレン・ジョンソン・サーリーフ氏、

金融大臣 Dr. Antoinette Sayeh、

警察庁長官 Beatrice Munah Sieh、

この3人の女性の活躍にフォーカスした作品である。

特に、サーリーフ氏の大統領就任第一日目から様々な課題に直面する彼女が、リベリア再建、役人の汚職問題、元兵士の保証など1つ1つ対応を迫られる様子や舞台裏(式典前にメイクを施される様子からランニングマシンで汗を流す姿まで)が写されている。

アントワネット金融大臣もビアトリス警察長官もヨーロッパ貴婦人風な名前にもかかわらず逞しい。

そして撮影しているのはCo-DirectorでもあるSiatta Scot Johnsonというこれまた女性である。


よくできている、というのが正直な感想。

サーリーフ氏に対する批判は沢山あるだろうけれど、彼女の仕事に対する真っ直ぐな姿勢に心奪われた。

「政治家」という言葉からはほど遠い、実務的な彼女の仕事ぶりは、政府や政治といったものが一体何のためにあるのか理解しがたいリベリア人にとってもわかりやすいのではないだろうか。

人々は、この大統領を「Old Ma」という愛称で呼ぶ。リベリアのおっかさん、といったところだろうか。

そう、やはり彼女の存在はただの「政治家」ではなく「母」なる大統領なのだ。


以前、リベリアの女性は強くなくちゃやってられないんだという内容の記事 を書いた。

パートナーや旦那の不貞、レイプ、家庭内暴力などに立ち向かいながら、強い意志を持って生きている。

そんな一般女性にとっても、女性大統領や大臣の活躍は励みになるに違いない。


14年も紛争していたら、政府の仕事は武器と報酬を与えることしか想像がつかない人もいたっておかしくない。

そんな国だけに国家再建は一筋縄ではいかない。いっこうに改善しない生活状況に不満を抱える村人少なくはないはず。リベリア滞在中、この女性大統領への期待や尊敬の声を多く聞いた。

期待や夢が泡とあってしまわぬよう、大統領には1つ1つ課題を克服してほしいと思うし、国民も長い目で見守っていってほしいと思う。


この作品を見て、今まで「前途多難」的な視点で見てきたリベリアに対する希望が持てた。

紛争中に国外退避をしたリベリア人も、作品を見て自分の国に対する希望や期待を持ってくれたらいいな。

そして、いずれ本国へ戻って国作りに貢献してほしい。