利用者さんが帰った後、久しぶりに試作をしました。

正直、試作をしたいものはいっぱいあります。ビーズも紙すきも香り袋も。


その中で今日は紙すきの試作。

既に紙すきでは「鍋しき」と「ハガキ」を作っているけど、今日はハガキより大判のサイズの紙すきをすることに。以前別の職員さんから「はし袋を作ってみたい」との話があり、どういう形で紙を用意するかを考えることに。


で、作るサイズは折り紙の大きさ。

ホームセンターに行って型枠の材料を買ってきて、型枠を作成。そして利用者さんが帰った後に試作開始。ハガキを作るときは1枚当たり5gの牛乳パックを使用。一方市販されている折り紙は1枚1gであったため、1gで作成するところからスタート。ハガキの場合はサイズが小さいので濃度の濃いパルプ液を流すけど、今回は少し大きいので濃度もいつもより薄めたパルプ液を流し込むことに。


ところが・・・1g相当のパルプ液を流し込んだら、全体にパルプが行きわたらない状態に。

思わず「ウッソ・・・」と絶句。1gの紙を漉くのは、非常に難しいことを実感し、1gは断念し5gから再度作ることに。


濃度の薄いパルプ液だけど、さすがに5gなら余裕。

続けてグラム数を少なくし、4g・3gの紙を続けて作成。そして限界値とも思える2gの紙すきに挑戦したけど・・・一応全体には行きわたるものの、流しムラはかなり目立つ状態。さらにムラをなくそうと思ってさわったら、どんどんムラになっている状態。かなり厳しいことを実感し、流し込みでの手法は断念。本当の紙すきに近い、水を張ったタライの中に型枠を置き、そこに流し込んで本来の紙すきの要領で漉いていくことに。でも結果は・・・穴の開いた和紙に。やはり2gで作るのは非常に厳しい状態。折衷案で2.5gにも挑戦したけど、2gと同じ方法で辛うじて作れる状態。でも利用者さんに2.5gを作ってもらうのは、かなり難しい作業。現実的に可能なのは、3gで作ること。


今日は速成のため、濡れた状態でアイロンをかけることに。

やはりグラム数の少ない和紙の方がしなやかさはあるものの、利用者さんに任せて作れる限界は3g。もしかしたら3gも限界なのかも・・・理想はたぶん2gか2.5gだけど、このグラムで紙すきができたら、ホント職人の域です。


それとも・・・完全な紙すきにシフトすべきかな。

ここはなかなか難しい判断です。試作品を見てもらって、考えようかな。