新国立劇場小劇場で観賞。

 

作はアニー・ベイカー。
翻訳は平川大作。
演出はマキノノゾミ。

出演は菅原永二、木村了、ソニン、村岡哲至。

 

演者さんは4人出てきますが、実質は菅原さん、木村さん、ソニンさんの3人芝居です。

 

今もなお35mmフィルムで映画を映写しているアメリカのとある寂れた映画館でバイトをする3人の日常風景を描いた感じの舞台。
上演時間は休憩込みでおよそ3時間。文字で観ると長いなと感じたのですが、実際に観てみた感想としてはそう長くは感じませんでした。

 

舞台は、木村さん演じるエイヴリーのバイト初日から始まって、3人のバイト先での日々が描かれていくのですが、最初は「え?ずっとバイトしている様子を描いていくのか?」と正直思ったのですが、観ていくうちにこれがなかなか面白く感じていきました。
バイトの先輩2人と新人エイヴリーが徐々に打ち解けて馴染んでいく様子や、それぞれが抱えているあまり人には言えないことが丹念に描かれていています。

 

序盤から中盤にかけては小さな笑いが織り交ぜられながら軽快に、それでもそれぞれの隠したいものが見え隠れしながら、物語は進んでいきますが、終盤に一転してガツンと重い展開へとなっていきます。
クライマックスの十数分、そこで突きつけられた現実から目を背けるように何も語らない菅原さん演じるサムはともかくとして(でも、目を背けたい気持ちは分かります)、エイヴリーとソニンさん演じるローズがさらけ出す本音というか言い分は、多分お互いに理解はできるものの、どちらも受け入れられないもの。お互いに傷つけあって築き上げていた関係を壊していく様はは胸にグサリと突き刺さるものがあって観ていて少し辛かったですね。

 

それでもバッドエンドでは終わらず、ハッピーエンドとは言わないまでも少しグレーな感じでエンディングとなったことは少し救われた感がありました。

 

ちなみに映画館が舞台ということもあって、映画の話はふんだんに出てきます。
映画好きの方は、それほど映画を観ていない私の何倍もきっと楽しめる舞台だと思います。

 

 

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