俳茶居

雛をだす靴の少なき家ならば  〈呑亀〉



天空茶会第十二葉 「天狼」席の設え(2016年11月26日)



とよす茶会「七夕茶会」設え(2016年7月17日)


天空茶会第十葉 Kさん表演茶芸席(2015・11・28、江戸からかみ東京松屋)


エコ茶会ワンコイン茶席「天空茶席」初日設え 2015年10月10日


ツバメおこわ×ルハンの台湾茶 「蓮畑で物語る茶会」2015年8月22日



とよす茶会会場よりの夜景 2015年7月



竹の子に囲まれた野点茶会2015年4月


台北の茶館 紫藤蘆の藤棚 2014年6月


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喫茶茶会記中国茶会Vol.8 『下萌の茶事』 ご案内

  2017年3月4日(土) 於  喫茶茶会記 

口上

早春。冬の間、土の中で時を待っていた草の芽が、枯草を掻き分け顔を出し私達に春を告げます。まだまだ寒い日が多い中、小さな春の訪れに心緩むこの頃です。『下萌の茶事』、長かった冬を耐えた万物と共に、春の息吹を一服のお茶を通して感じていただければ幸いです。                                                                                                    2017年2月吉日 俳茶居

喫茶茶会記 中国茶会 第八回 『下萌の茶事』

 <第一席> 13:0013:50

平水仙  〈青茶 福建省 2016年製〉     :俳  

野生春芽  〈黒茶 (プーアル茶) 雲南省 2016年製〉 :辻本麻里

<第二席> 14:3015:20

平水仙  〈青茶 福建省平 2016年製     :俳  

安化天尖茶 〈黒茶 湖南省安化 2011年製〉      :渡辺隆德

<第三席> 16:0016:50

平水仙  〈青茶  福建省平 2016年製〉     :俳  

瑰花紅茶 〈紅茶(バラ紅茶)雲南省大板橋2016年製〉 :村田亜樹

 

一席:1,800 (オリジナルスイーツ付き) 各席6名様

 

*お申し込み・お問い合わせは FBのコメントからお願いいたします。

<茶会記茶会中国茶会『下萌の茶事』>

https://www.facebook.com/events/362566634126057/

喫茶茶会記 (住所地図検索可)

 

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真冬の日曜日

喫茶茶会記茶会Vol.8『下萌の茶事』始動

 

新宿御苑の寒桜(2017年1月28日撮影)

 

喫茶茶会記茶会の今年の活動がスタートする。2017年3月4日(土)、喫茶茶会記茶会Vol.8『下萌の茶事』開催に向け打ち合わせ練習会が、会場となる四ッ谷三丁目喫茶茶会記で1月29日に行われた。久々の全員集合となり、スタッフのやる気が伝わった。一番の重要事項は茶葉を決める事。約3時間ほとんどの時間お茶を飲み続け、季節感・話題性などスタッフの意見交換がなされ、茶葉は大体決まった。ほっこり温まる系がやはり基本のようである。2月中に練習会を重ね本番に臨みたい。

香り高き蝋梅

 

昨年夏、お店のご亭主から茶会記茶会の定例化の話を頂き、年4回の中国茶の茶会が開かれることとなった。これまでの茶席運営やスタッフの意気込みを見て、ご亭主が英断されたのだ。チームスタッフは私を入れて四名。昨年秋一人が日本中国茶普及協会の研修を受けアドバイザーになった。皆さん熱が入って来ている。3月4日のパフォーマンスに是非ご期待願いたい。

 

紙に包まれていた不思議な烏龍茶「漳平水仙」

 

花の蜜をめぐって鳥たちの生存競争が繰り広げられる

 

この時期新宿御苑に寒桜を毎年見に行く。日本庭園にある2本、今年もしっかり咲いていた。誰に教わることもなく、毎年花を咲かせる生命の不思議。冬の日差しはあるが凍える寒さの中、花の蜜を求めてやってくるメジロとヒヨドリの縄張り争いが酷い。メジロは一方的に追い払われる。しかし一旦撤退しても諦めてはいない。しばらくすると、またメジロの天下となっている。そんなことの繰り返しをぼんやり見ながら、真冬の青空を久々に目から体に染み込ませた。      俳茶居

静かに語りかけて来る貴婦人(伊藤雅風展:2016年12月17日うつわノート)

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 常滑焼企画展『伊藤雅風  急須バカ』

       2016年、年末の川越「うつわノート」に行く

 

伊藤雅風作藻掛け蓋碗(2016年12月17日撮影)

2016年12月17日、常滑焼の作家伊藤雅風氏の作品展を見に、久々川越「うつわノート」に行く。晴れた冬の空、風もなくピンと張りつめた空気は、西武線本川越駅より徒歩で向う私の背筋を伸ばしてくれた。道に迷うかなと思いながら、徳川家三代家光の乳母春日局ゆかりの喜多院まで来て、今回もまた一筋間違えた。ようやく看板を見つけ安堵しながら、戦前の木造二階建家屋に辿り着く。玄関を入ると何か心温まる気持ちになる。作家在廊日と承知していたので、入ってすぐに初対面の本人がいることに気が付いた。大きな体をかがめ丁寧な挨拶を返された。作品展を企画された「ギャラリーうつわノート」ご主人Mさんのブログを拝読。書かれている作家の来歴に触れ、「急須バカ」なる企画名にいたる心の経緯など推測。なるほどと合点がいった。

横手急須

完成度の高い作品群と向き合った。静謐な佇まいのギャラリィー空間に、凛とした茶器の数々が静かに語りかけて来る。「私をしっかり見て、よそ見しないで」などと、いずれの作品も貴婦人の上品な言葉遣いで、来廊者の心を虜にしてしまうようである。作品の前で立ち止まりしばらく無言で会話を交わしている作品と客の姿は、新しく主人になろうとする者へ、貴婦人からの口頭試問なのかも知れない。あまた作品の誘惑の中を無事無傷で泳ぎ切るのは至難の業のようである。

藻掛けの蓋碗を連れ帰ることが叶った。2年前、初めて作家の急須を手に入れていた。急須と蓋碗、ともにうす緑の藻掛けの作品。家に帰り並べて悦に入っている。

 茶器の美しさは何処から来るのだろうか。お茶淹れの理にかなうことは当然。ただその為に茶器の姿はどうあればよいのか。土との格闘、窯や釉薬、焼き方など作家のこだわりが作品に反映される。そして作家がようやく出来上がった作品をリリースする時の気持ちに想いが至る。

 不易流行は、雅風氏の作品にも窺える。オーソドックスでありながらシャープな意匠は、どのようにして醸成されたのか気になるところである。雅風氏たちの世代は、彼が独立するまでの師匠村越風月氏や、村田益規氏、伊藤成二氏など常滑の現代急須作家の大御所の次の世代となるのであろう。すでに彼等のエスプリを昇華し、我が道を行く雅風氏の作品に、常滑急須の今を確認することが出来た。慌ただしい年末、心温まる小江戸散歩となった。                     2017年1月11日 俳茶居    

                                                                              

静かな佇まいの貴婦人達

*ブログタイトル「壺迷」さんの「茶壺の発展と歴史 」は、解りやすい。

常滑焼歴史。明治期に宜興急須技術を導入のことなど。

後手急須

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謹賀新年

 数少ないブログ読者の皆様、本年も宜しくお願い申し上げます

 

昨年世界は大きく動き、第二次世界大戦後の秩序体制が一段と瓦解していく様を見ることとなりました 「戦後」という時代は過ぎ、最早「戦前」なのでしょう 人類が積み上げてきた叡智は、次々に焚書の憂き目にあっている様です 国家や地域間の諸問題を争いではなく法と理性で解決する為に創られた国際機関・国連は、およそその機能を果たしているとは思えない状態です 大国のエゴイズムが表面化し、争い事を話し合いで解決しようとする本来の姿が危機にさらされています 中東の国の中の国「イスラム国」の戦闘行為や、イスラム国による国際テロ事件、イギリスのEU離脱、シリアを中心とした難民問題、アメリカの大統領選挙で選ばれ、間もなく就任する新大統領の諸発言など、人類が長い歴史から学んだ理性や他(他国、他民族、他宗教等)を敬う考えは弱まり、逆に他者を排斥する現実が世界を覆いつくそうとしています この国においても同様に、思想信条の自由、報道の自由、知る権利等本来憲法で保証されている基本的人権が風前の灯の状態となっています このまま改憲の動きに進めば、一気に戦争の出来る国に舞い戻るところまで来ております

 

俳句を作り続ける者として、自然界の四季の変化を感受し感動や感情の機微をを写すことと同様に、社会に対する心の持ち様を、俳句を詠む上で排除することは出来ないと考えます 戦前の芸術活動が国家に従属させられ、戦争遂行・戦意高揚のための道具とされたことの反省を基に戦後の芸術活動はスタートしたはずです 思ったことを表現出来ない、堅苦しい時代の再来を危惧する現在です 

人は忘れやすい動物です 忘れることで心の負担を減らし、日々のうのうと生きていくことが出来るのかも知れません 二〇一七年一月三日の心の記憶を記録します       俳茶居

 

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すこし追い風が吹いてきたのかな

第12回地球にやさしい中国茶交流会(エコ茶会)に参加して 

天空茶席  さんの設え(2016年12月11日撮影)

2016年12月10・11日(土・日)に開かれた「地球にやさしい中国茶交流会」。今年もワンコイン茶席一席を、所属会派のインストラクターで運営させていただき、五名のスタッフがエコ茶会淹れ手デビューとなった。小生も一席淹れ手をつとめ、年に一度であるが、なにか新鮮な気分を味わうことが出来た。初日朝よりの設営部隊の一員から参加となった。エコ茶会を支えているスタッフは、初日の設営とイベント終了後の撤収作業での身のこなしが手際よく爽やかである。老体ではあるが、多少の肉体労働は脳の活性化に良いみたいだ。手造り感に溢れる会場が見る間に出来上がり、そして最後に解体された。

お洒落でシックな忍草さんの設え

雲の上にいるような心地良さ 香飄さんのツーコイン茶席 

 

雲南少数民族の布で設えた洋洋さん、ヒロエさんの席

 

会場の浅草「東京都産業貿易センター台東館」に二日間で約2600名(初日約1400名、二日目約1200名)のお客様が全国からおいでになったと主催者の報告があった。この数字は意味深い。昨年の来場者は、初日約1200名、二日目約900名の約2100名。二日間で500人の集客増となっている。主催者の来場者分析に、浅草に会場をかえた昨年から「初心者の方の来場が増えているが、今年はその傾向が顕著」であったと報告されていて、中国茶を廻る環境変化の兆しを感じている。すこし良き風を感じるのである。日本で最大の中国茶総合イベント「地球にやさしい中国茶交流会(エコ茶会)」の主催者あるきちさん始めスタッフの皆様の地道な努力が今日の結果をもたらしたことは間違いないことである。業界の一員として感謝の気持ちを伝え共に喜びたい。

ゆえじさんのシンプルで洒落た設え 

 

ゆえじさんの席2点 茶海がカッコいい

「茶とは何か」。お茶を好きになった者たちへの永遠の命題であろう。茶会で美しい設えの茶席でいただくお茶も、野点でワイワイ言いながら皆で飲むのもお茶である。暑い日自動販売機から買って飲む冷たいペットボトル茶も、寒い日に茶館の蓋碗で淹れていただく温かい烏龍茶もお茶である。一杯のお茶が果たしているものは大きい。

2016年12月20日 俳茶居

茶泉さんのお店にあった常滑の伊藤雅風さんの藻掛蓋碗

 

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地球しい中国茶交流会(エコ茶会) 開催間近

エコ茶会 Kさんによる「天空茶席」設え(2015年10月11日撮影)

   2016121011日(土・日) 東京都立産業貿易センター・台東館に於いて、日本おける中国茶の現在が一目でわかるイベント「地球しい中国茶交流会(エコ茶会)」が開催される。昨年は二日間で2100名の来場者があり、国内最大の中国茶総合イベントになっている。日本各地のお茶好きがこの時とばかりにエコ茶会をめざす。物販の中心は、普段手に入らない茶葉や茶器。入門編から上級者までのものが用意されていてお客様満足度は高い。セミナー講師陣も多彩。将に中国茶の今がわかる豪華メンバーとなっている(残念ながらセミナーは、ほとんどがキャンセル待ちの状態)。お買い物やセミナーの他にも茶席がお茶好きを待っている。ツーコイン茶席・ワンコイン茶席コーナーでは、中国茶の美味しさや奥深さを楽しむことが出来る。茶席の人気も高く、事前予約制ではないので、座りたい席があれば、の発券時間を確認して並ぶことをお勧めする。「マイ茶杯」を忘れずに。

茶席に座れなかった場合でも

○ティーマーケット「東北・九州応援ブース」

○ミニイベントコーナー

など楽しめるコーナーが設置されている。

是非皆様のご来場でイベントを盛り上げていただきたい。     俳茶居

エコ茶会 俳茶居による「天空茶席」設え 2015年10月10日撮影

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「とよす茶会 クリスマス茶会」in 茶韻館

20161218日(日)開催

昨年のクリスマス茶会の茶席

 今年最後の淹れ手を務める「とよす茶会 クリスマス茶会」が、20161218日(日)人形町の「ティーハウス茶韻館」で開催される。昨年まで、茶韻館主人松田さんの住んでいる豊洲の高層マンションのラウンジルームで行われていた「とよす茶会」だが、今年6月、松田さんが「ティハウス茶韻館」(地下鉄人形町駅徒歩5分・水天宮駅徒歩2分)を始めてからお店に移って二回目のお茶会となる。今までの高層ビルからの眺めとはいささか趣が違う。人形町は今でも江戸風情漂う粋な下町である。周りには、有名料理店があるかと思えば、何代も暖簾を守っている手ぬぐい屋、小さな和菓子屋・お煎餅屋・豆腐店など、伝統と新しさが同居するファンタスチックな町なのだ。妊婦の腹帯で有名な水天宮があるかと思えば、茶の木神社がお店から徒歩1分の所にある。

昨年のクリスマスプレゼント。さて今年は・・・・。

 そんな下町情緒に恵まれた茶韻館での「とよす茶会 クリスマス茶会」が開かれる。今回も素晴らしいお茶は当然だが、定番となったパテシエTさんのお菓子は見逃せない。クリスマスらしいスイートでさらに幸せ気分を味わえるに違いない。お茶は、茶韻館主人厳選の二種類と、とよす茶会スタッフ一番の中国通  さんが今年入手した秘蔵の「鳳凰単叢黄枝香」を、三回の茶席各回で淹れてくれる。

 「茶会 クリスマス茶会」乞うご期待。

 

お申し込みは以下からおお願いします。

*茶席回をお選びの上、お名前、参加人数、ご連絡先を書いてご予約下さるようお願い致します。

Facebookhttps://www.facebook.com/events/353846821616861/

FBの他にメール、電話からもお申込みい頂けます。

○メール:info@chainkan.com

○電話:03-6206-2119

とよす茶会GP 松田

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「天空茶会第十二葉 梢錦の茶事」開催御礼

 

   「天狼」の茶席 (2016年11月26日撮影)

 

 20161126日(土)、所属する日本中国茶普及協会認定インストラクター会が主催する「天空茶会第十二葉 梢錦の茶事」が、おなじみの「江戸からかみ東京松屋」さんで無事開催された。おいで頂いたお客様に心より謝意を伝えることとする。又、会場を提供して頂いている「江戸からかみ東京松屋」さん、そして何時も私達を応援していただいている、日本中国茶普及協会の理事の皆様方にこの場を借りて厚く御礼申し上げることとする。

                 「深見草」の茶席

 

遠い中国や台湾の山で育った茶葉は、茶農家さんの丁寧な仕事でお茶となる。幾つかの流通過程を経て、最後の最後に天空茶会の茶席に届く。その茶葉に感謝し心を込めて呈茶すると、茶葉は素晴らしいお茶になり、茶席を囲む人々を幸せにする。私達を幸せにするお茶とは何か。役目を終えた茶殻に、その答えを問いかけるのは私だけであろうか。

                「冬韻」の茶席

 

天空茶会は、毎回スタッフの熱い想いが凝縮される催事となる。初めて参加する方は、淹れ手や淹れ方教室、裏方問わず楽しいどころではなく不安のまま当日を迎える。練習で淹れ方やトークを何度も練習したはずなのに、本番のプレッシャーは別物である。独り立ちする試練は、実は誰も助けることはできない。自ら背中を押すしかないのである。先輩達も同じようにその試練を乗り越え今日を迎えている。見事に天空茶会淹れ手デビューされた二人にエールを送りたい。1回目と最終の4回目の茶席での振る舞いは全く別人のように進化をとげているのが遠くからでも解った。次回以降も更に高い境地を目指し研鑽を重ねていただきたい。そして、茶会では淹れ手が主役の様に思われるが、催事は裏方が大事である。淹れ手が自然に茶席を務められるのも、裏方スタッフが的確に働いているから出来るのである。見事な対応力で茶会を仕切って頂けた裏方スタッフの皆様の労をねぎらいたい。

                 「遊風」の茶席

 

又、今回練習に参加されながら、ご事情で淹れ手参加を断念された方が一名出た。その方の無念や、急遽代役を引き受けてくれた方の心意気など胸打たれた。何か同時進行ドラマを見ているようであった。やがて時が過ぎ、今回断念された方があらためて淹れ手を務めるならばその席に着きたい。静かにその時を待つこととする。

裏方に徹し難題を見事に解決に導いてくれたTさんに感謝の気持ちを伝えることとする。 

                     「木曳陽」の席

 

                Hさんの見事な表演茶芸    

20161128日    俳茶居

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茶聖陸羽の故郷 湖北省天門への旅 〈後編〉

                       

天門西湖湖畔の茶経楼 茶経十章にあわせ10階建(2016年5月撮影)

 2016年5月、旅は成田から直行便が出来て間もない武漢へ。一泊し翌日天門へ向かう。武漢の西方150km、約2時間のバスツアー。街道沿いに続く「楊」の木から放たれている白い糸「柳絮(りゅうじょ)」に歓迎され私達は、茶聖陸羽の生誕の地天門に勇躍到着した。湖北省天門に来ることが叶うとは、つい最近まで思っていなかった。I先生からのお誘いがあり、こんな機会はこれからも無いであろうと思い参加を決めた。I先生にこの場を借りて感謝の気持を伝えたい。

陸羽が育った龍蓋寺(現西塔寺)の玄関

 陸羽に関して研究書は多い。彼の業績は、8世紀後半に書かれた『茶経』(唐代760年頃成立の説あり)によるところが大きい。ただ、茶経は天門時代に書かれたものではない。「安史の乱(安禄山の乱)(755~763年)」の初期〈756年〉、陸羽は反乱軍から逃れる難民のひとりとなり天門を離れ、長江を下り長い旅のあと湖州の太湖の南、呉興(現在の浙江省湖州)に近い渓(ちょうけい)に落着く。茶経は湖州に来てから書かれたとされている。

陸羽を茶聖と呼び、茶文化の歴史に惹かれる者とって、陸羽生誕の地に立つこと自体感慨深い。陸羽の育った場所から何を感じる取ることが出来るのか。8世紀中頃、この地で20代中頃まで生活していた陸羽の幼年から青春時代、彼にこの街はどんな影響を与えたのだろうか。そんな疑問と期待を膨らませながら2日間をすごした。

陸羽も使ったと言う陸羽泉(井戸)三つの穴から水を汲んだ

 発展する中国の地方都市の典型のように、現在の天門も発展途上の様である。武漢から2時間のバスの旅では、延々と続く田園風景であった。やがて町に到着し中心街に入ると、他のどの町とも同じ生活感あふれる中国の地方都市の姿が見えてくる。高層マンションのビル、近代的なショッピングエリアが大勢の人々を吸い込んでくようであった。武漢と比べ大気汚染は少なかった。しかし、この町が他の町と違う所は、陸羽を町のブランドとし再開発しているところである。街の中心にある西湖の周りに陸羽を記念する建物や像が立っている。天門の町は、この町で育った若き陸羽で活性化させようとしているのである。

まず火門山へ向かう。天門から北西約20km、陸羽が10代後半の5年間儒教他の学問を修めた場所だ。彼が文人となる基礎は、火門山での勉学無くして成就されなかったであろう。現在の火門山は、将に観光地化を進めようと施設の充実を図る途上の姿であった。天門中心部に戻る。西湖湖畔に聳える茶経十章にあわせた10階建ての茶経楼は、陸羽を象徴するメモリアル博物館。近くに陸羽が拾われ育った西塔寺がある(陸羽の時代は龍蓋寺)。湖畔に立つ若き陸羽像は、この町で暮らした20代の若々しい白い像である。陸羽の時代から水を汲んだと言う陸羽泉は少し離れて陸羽茶楼と隣接している。西湖湖畔に戻り、捨て子の陸羽が龍蓋寺の智積禅師に拾われた場所とされる古雁橋に着く。橋を渡ると陸羽記念館へと導かれる。橋の上で漸く陸羽の詩の碑文と巡りあうこととなる。

古雁橋左側面中央に陸羽がこの街への想いを込めた詩『六羨歌(全唐詩 巻308)』が刻まれている。(1982年再建時に碑文として加えられたとの事。)古雁橋の側に捨てられていた陸羽を養育した龍蓋寺の智積禅師が亡くなった知らせを聞いて790年に書いたされている。陸羽が天門の町への気持ちを残した言葉は、この詩の他に知らない。それは陸羽と天門、さらに現代の私達を繋ぐ意味ある言葉となった。

陸羽が拾われた場所古雁橋(清朝代に再建されたとされる。近年「六羨歌」

が欄干の内側に埋め込まれた)

 

六羨歌(りくせんか)

不羨黄金塁 不羨白玉杯 

不羨朝入省 不羨暮入台

 千羨万羨西江水 曽向竟陵城下来

― 訳 ―

黄金の酒器をもらうのはうらやましくはない

白玉で作った酒盃をもらうことはうらやましくはない

朝役所に行くことはうらやましくはない

暮にお役所に入ることはうらやましくはない

ただ想いを馳せているのは、竟陵城に流れている西江水のことである

<訳:成田重人( 成田重人著『茶聖陸羽』・淡交社より)>

*詩の中の言葉「西江水」を尋ねると意味深い。

 

陸羽は茶人として理解されがちであるが、茶人であると同時に優れた文人・墨客である事を理解しなければならない。陸羽の敬称に使われる「太子文学」(官職名)や「処士」(科挙に受かる能力の在野人)などはそのことを表している。何時の日かトータルな陸羽の姿を捉えたい。

                                  俳茶居

*「茶聖陸羽の故郷 湖北省天門への旅 前後編」は、日本中国茶普及協会の会報「中国茶通信Vol.23」に掲載したものに加筆・校正したものです。

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 間もなく「天空茶会第十二葉」が開催される(20161126日(土)・於:稲荷町「江戸東京松屋」・日本中国茶普及協会認定インストラクタ主催)。年二回の開催だからすでに6年が経ったことになる。主催する側の一人として、この間お世話になった数えきれない皆様に感謝の念で一杯である。今回も、スタッフ集めから始まり、公式練習会、追加練習会、個別練習会と淹れ手スタッフは本番まで緊張が続く。又、裏方スタッフもそれぞれの役割で準備に忙しい時期である。最早サイは投げられ後戻りすることは出来ないと覚悟は決めていても、何か忘れていることが無いか気になるころである。

 これまで六年、延べ千人以上の方が茶席にお見えになり、楽しい時間を一緒に過ごした。茶縁が広がり、天空茶会のお客様からインストラクターになられたかとも増えた。お客だった方が、今度は淹れ手となりお客様をもてなす。そんなお茶を廻る連鎖が何より素晴らしい。「天空茶会第十二葉 梢錦の茶事」で新たな茶縁が沢山生まれるよう淹れ手の一人として頑張りたい。

 

 「天空茶会第十二葉」予約申し込み先→より

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