今年4月の熊本地震で、熊本市東区に住む私も被災致しました。家が損壊したため家族と一緒に避難所生活を余儀なくされた私は、同じ避難所で寝泊りしている人たち、特に子供たちや年配の人たちが、やることもなくただ余震に怯えるだけの毎日を送っている様子を見て、心を痛めていました。そして、熊本市とその近隣の映画館のほとんども被災して営業ができず、自分自身も大好きな映画がまったく観れない状況にあることで精神的につらい日々を送らなければなりませんでした。


そんな状況から、ある日私はふとSNSで、
「避難所で映画の上映ができないかなあ。みんなで映画を観て明るく元気になれたらなあ。」
とつぶやきました。それが、熊本の映画好き仲間たちの共感を呼び、すぐに「避難所などで映画の上映会を催す」というボランティア活動が始められることになりました。活動に参加するメンバーは熊本在住の人がほとんどで、中には私と同様に避難所生活を送っていた被災者の人もいます。

避難所、被災地の公共施設や学校をはじめとする教育施設などで、映画の上映を中心に、場合によってはワークショップ・マルシェ、子供たちへの絵本の読み聞かせ、音楽演奏などの活動を併せて行ないます。
上映作品は、上映に関するすべての権利をクリアしたものの中から、会場となる避難所などの皆さんのご要望を事前にお伺いした上で私たちが選んだものや、ご指定いただいたものとなります。

実際に熊本地震を体験したメンバーが、被災者の人たちの気持ちに寄り添いながら元気になってもらうお手伝いをする。それが、このプロジェクトなのです。