今週の月曜日(7月21日)、東京・なかのZEROホールで行なわれた『伊福部昭百年紀Vol.2』に行ってまいりました。


伊福部大先生の映画音楽をほぼオリジナルの楽譜に忠実に、組曲として再構成してフルオーケストラで演奏するという、ファン待望の企画。


今年2月に行なわれたvol.1にやっとの思いで参戦した後に、今回のプログラムが発表されました。『ジャコ萬と鉄』、『佐久間ダム』、『宇宙大怪獣ドゴラ』、『空の大怪獣ラドン』、『宇宙大戦争』、『ゴジラVSメカゴジラ』の6本です。
これを見て愕然。数ある伊福部マーチの中でも、私は『宇宙大戦争マーチ』が大好きなのです。それがナマで聴けるなんて!これは絶対に行かねば!
拙著『絶叫!パニック映画大全』が出版できたおかげで、何とかうちのボス(笑)の許可と金銭支給を得ることができ、再び上京することができたわけです。


vol.1の後、実行委員会の鈴木さんとミョーに仲良くなり(とは言え、その時はお会いできなかったのですが…)、何と今回、『宇宙大戦争マーチ』を中心に伊福部音楽に対する私の暑苦しい想いを綴った文章を、コンサートで配布されるプログラムに掲載していただくことになりました!



青臭い文章ですが…。


当日は、特技監督の川北紘一氏など伊福部映画音楽にゆかりのある錚々たる皆さんが大挙来場。

開演前には、平成ゴジラ・シリーズの音楽製作に携わった東宝ミュージックの岩瀬社長に、最新作『伊福部昭と戦後日本映画』など数々の伊福部本を発表なさってきた小林淳先生がお話を聞くというティーチインがありました。


いよいよ本番。1曲目、若き日の三船敏郎主演の活劇『ジャコ萬と鉄』からスタート。いきなり骨太な音楽がドーンときて、早速テンションが上がります。


続いて岩波の記録映画『佐久間ダム』3部作から。伊福部大先生のこの種の“建設系”記録映画の音楽は、特撮映画のものに一脈通じるところがあり、作業効率が上がることから、私も仕事のBGMとしてよくかけています(笑)。ここでは、『緑の湧水』と名付けられた美しい曲も含まれているのですが、今回は超美人ピアニストの池田慈さんが3分近くソロでじっくり聴かせてくださいました。このメリハリもこの百年紀シリーズの楽しみでもあります。


そして『ドゴラ』。怪獣映画としてはビミョーな出来の異色作ですが、音楽は素晴らしい!特に、ドゴラのテーマ・モチーフには、ミュージカル・ソウという特殊な楽器が使われています。その名の通りノコギリを楽器として使っているもので、お化けが出てくる時の「ヒュ~~~」という音や、横山ホットブラザーズの「お~ま~え~は~ア~ホ~か~」(超古)でおなじみの楽器です。この名手・おぎ原まことさんがゲストプレイヤーで登場、原曲を見事に再現してくれました。でも、あまり出番がなくてもったいないなあと思っていたら。最後の方で元の作品にはなかったソロがあったのは嬉しかったですね。
さらに、『ドゴラの天敵』でピアノソロから弦→管→オケの総奏と音が最大に厚くなったところで、ほぼ同一リズムの『ドゴラ対自衛隊』に間髪入れず繋がるという構成は、まさに圧巻の一言。ドゴラのテーマにしても、ナマで聴くとまるで別曲のような迫力があります。


こんなテンションで前半終了、休憩に入りました。


(後半へ続く)