ずっと家の庭の木が元気がなかったんです。

 

なんとなく元気のない木を眺めながら、

 

「土が悪いんだろうなぁ」なんて、ずっとモヤモヤした気持ちで過ごしていました。

 

私が好きな造園の本で「これからの雑木の庭」という本があるのですが、

 

その著者で高田宏臣さんという方がいらっしゃいます。

 

高田造園設計事務所代表でNPO法人地球守代表理事もされていて、

 

全国で環境調査、環境再生事業に携わっておられる方です。

 

高田さんは「土中環境」という本も執筆しておられます。

 

現代のコンクリートで固めるような土木建設により土中環境が変化し、

 

土のなかの空気の流れ、水の流れが阻害されてしまい

 

健康な大地本来の浄化機能、貯水機能などの大切な働きが壊されてしまったのだそうです。

 

「ウチの庭の土も健康な働きを失っているんだろうなぁ」なんて、日々、見えない土の中に想いを馳せていました。

 

そんなことを思っていたら、ついに昨年、庭のアオダモの木が枯れてしまったのです。

 

立派なアオダモだったのに・・・

 

そこで一念発起、

 

土の中を覗いてみることにしました。

 

スコップで穴を掘り始めると、

 

深さ20cmぐらいのところからスコップが入らないほど押し固められた層が出現しました。

 

スコップはあきらめてツルハシを買って硬い土を破壊しました。

 

その下は石交じりの層が、ツルハシもスコップも石に当たってなかなか掘り進めません。

 

そしてその下は粘土の層、

 

粘土質な土ではなくて、もろ粘土・・・

 

その下には青い土の層が出現します。

 

酸欠状態になった土で、グライ化層というそうです。

 

なんの生物の営みも感じることのできない死んだ土です。

 

そこを掘り進めて自分の背丈ほどの深さまで掘って、

 

そこからダブルスコップと呼ばれる道具で縦穴を掘り、やっと赤土の層が出現しました。

 

赤土といっても、やはりネチョッとした土ではありますが

 

その縦穴に炭と落ち葉を入れて竹を通して、水が浸透するようにしました。

 

土にはもみ殻、落ち葉、剪定ででた枝などの有機物をたっぷり混ぜて穴を埋め戻しました。

 

そこには常緑の低木などと一緒にアオダモの小さい苗木を植えました。

 

今度は元気に根をいっぱい張って健康に育ってくれますように、と願いを込めて・・・

 

水と空気の流れに沿って糸状菌が菌糸を伸ばして、その菌糸と植物の根が結びついて

 

情報の交換をしながら栄養のやり取りをして、ほかの微生物や菌を育てて・・・

 

なんて、

 

また土中環境に想いを馳せながら過ごしています。

 

思い起こすと、私の著書を出版する以前は、

 

土中環境への想いと同じように、腹中環境に想いを馳せていました。

 

スコープを挿入していく過程で、腸管はどういった動きをして、

 

どんな形になって、力が伝わったり、伝わらなかったりするんだろう・・・

 

どんなに短縮操作をしようとしても出現する強い屈曲・・・

 

うまく軸保持できると出現する右下展開になる屈曲・・・

 

どんなんなってんの?

 

みたいな。

 

そして本の出版のはなしを頂いたときに一念発起、

 

ガストロを流しながら透視下でTCSをして、腹中環境を覗いてみることにしました。

 

それに協力してくれた後輩がいて初めて実現したことですが、

 

その画像をみたときの

 

あの、急に視野が開けたような、

 

霧が晴れていくような、

 

今までモヤモヤしていた疑問がストンと腑に落ちる感覚、

 

今でも鮮明に思い出すことが出来ます。

 

未知の世界に想いを馳せて、

 

それを見るために行動に移す、

 

これが大事なことですね。

 

今回はだらだらと長文すみませんでした。

 

今回の動画は普通の基本的な動画です。

 

みなさんも腹中環境に想いを馳せながら見てみてください。

 

ここで腸管はどんな形になってんのかな、とか

 

なんでスコープをたわませずに進められるのかな、とか

 

ということで

 

今回の動画は基本的な症例ですが、

 

数回ほど畳み込み操作の繰り返しが必要な症例でした。

 

 

では、また。