水俣病未認定患者の救済問題で、小沢鋭仁環境相は12日、救済を求めて裁判を続けている水俣病不知火(しらぬい)患者会(熊本県水俣市)と和解協議に入ることを閣議後の会見で明らかにした。原因企業チッソ、熊本県とともに15日、熊本地裁に和解勧告を要請する。

 未認定患者問題をめぐっては、訴訟派団体で最大の原告を抱え、国などを相手取り係争中の同患者会が11日、和解協議に応じる方針を決定。小沢環境相は「(患者会の決定を)重く受け止め、熊本県、チッソと相談した。水俣病被害者救済特別措置法に基づく救済と裁判での和解のバランスを取りながら、全面解決に向けて努力する」と述べた。患者会は裁判で1人当たり850万円の損害賠償を求めているが、原告に支払われる具体的な金額は和解協議の中で詰めていくという。

 また、チッソの後藤舜吉会長が社内報で「(特措法に基づく分社化によって)水俣病の桎梏(しっこく=自由を束縛するもの)から解放される」と書いたことについて、小沢環境相は「(救済実現を目指す)微妙な時期に(患者の)気持ちを痛めるような話は遺憾だ」と批判した。

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