第10話 話し合いⅠ
緩和病棟への移動も決まり
その日は妹と私で緩和病棟の主治医となる
W先生とカンファレンスルームで話をすることになっていた。
緩和病棟は本館から渡り廊下でつながっていたが
入院患者とその家族以外は入れないような雰囲気だったので
一度入り口まで来たことがあったが入ることが憚られ
私達はそれまで足を踏み入れたことはなかった。
正面入り口から入るとすぐに守衛さんのいる受付があり
そこで用件を言って中に入った。
入ってすぐにソファと自販機などがあり
私達はそこで先生を待つことにした。
「Kさんのご家族の方ですか?」
しばらく待っていると
白髪混じりの背の高いめがねをかけた先生が現れた。
印象としては少し冷たい感じの先生だった。
私達はすぐそばにあったカンファレンスルームに通された。
「これからお母様の主治医をさせていただきますWです」
「よろしくお願いします」
「お母様の病状の説明、資料など以前の病棟の方から
見させて頂きました」
「え~これからのことなんですが、今後は痛みなどの緩和を中心に
治療をしていこうと考えています。」
そうして主治医との話し合いが始まった・・・・
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