第9話 父の退院
母の病棟移動までの間に、父の退院が決まった。
8月の末に手術をして、4ヶ月過ぎた退院だった。
父は手術を受けてから声を失い
首の付け根辺りに穴をあけて、呼吸はそこからしている。
食事も流動食で、エンシュアという甘い香りのする
流動食を鼻から通した管から摂っていた。
見た目には何とも痛々しい姿ではあったが
とりあえず退院できることになり
私達家族も嬉しかった。
本当だったら・・・・
母が元気だったら・・・・
みんなで退院祝いをしてあげたかったのだが
母があの状態で、妹も私も父の退院祝いをする余裕が無かった。
父が退院した日。
妹が父の病院まで迎えに行って
その足で母の病院までやってきた。
私はその日母の付き添いをしていたので
病室で父との対面になった。
父に掛けた言葉と言えば・・・
「体はどう?大丈夫?」
そんな言葉しか言えなかった。
母は・・・・
父の姿を見て少し嬉しそうで
そしてとても父の体を心配していた。
母の病状の方が大変なのに・・・・
父と母。
父は鼻から管を通して、もう声も出せない。
母は点滴を付けてベットに横たわっている。
その二人がお互いのことを心配しあっている。
私は辛かった・・・・
心の底から辛いと思った・・・・
どうして私の両親がこんなことになってしまったのだろう・・・・
考えても仕方の無いことと解っていながら
考えられずにはいられなかった・・・・
8月の末に手術をして、4ヶ月過ぎた退院だった。
父は手術を受けてから声を失い
首の付け根辺りに穴をあけて、呼吸はそこからしている。
食事も流動食で、エンシュアという甘い香りのする
流動食を鼻から通した管から摂っていた。
見た目には何とも痛々しい姿ではあったが
とりあえず退院できることになり
私達家族も嬉しかった。
本当だったら・・・・
母が元気だったら・・・・
みんなで退院祝いをしてあげたかったのだが
母があの状態で、妹も私も父の退院祝いをする余裕が無かった。
父が退院した日。
妹が父の病院まで迎えに行って
その足で母の病院までやってきた。
私はその日母の付き添いをしていたので
病室で父との対面になった。
父に掛けた言葉と言えば・・・
「体はどう?大丈夫?」
そんな言葉しか言えなかった。
母は・・・・
父の姿を見て少し嬉しそうで
そしてとても父の体を心配していた。
母の病状の方が大変なのに・・・・
父と母。
父は鼻から管を通して、もう声も出せない。
母は点滴を付けてベットに横たわっている。
その二人がお互いのことを心配しあっている。
私は辛かった・・・・
心の底から辛いと思った・・・・
どうして私の両親がこんなことになってしまったのだろう・・・・
考えても仕方の無いことと解っていながら
考えられずにはいられなかった・・・・