第8話 母の日記 | 笑顔とありがとうを~大切な人たちへ~

第8話 母の日記

母が病院に戻ってからはいつも通りの日々・・・

相変わらず始終うとうととしていて

目を覚ます時間が少しずつ少しずつ少なくなってきているように感じた。



そんな中病院側は病棟移動の準備を着々と進めていて

クリスマス辺りには移動できるかもしれないとの話だった。

そうなると年末年始はどうなるのか少し心配だったが・・・

こうなると早く病棟移動して

落ち着いてから年末年始を過ごしたいと妹と話をした。




日常はいつも通り・・・

妹とおばと私での交代の付き添い。

付き添っている間は何もすることがなく

時間を持て余していたので

大学ノートを買ってきて付き添っている間の母の様子などを

3人でそれぞれ書き記すことにした。



○月○日(妹の記述)

今日のお母さんは調子がいいようだ。
朝早くから目を覚まし、ニュースを見たいと言ってNHK を点けた。
でもやっぱりものの5分程で、うつらうつら・・・




○月○日(おばの記述)

Kに「おはよう」と声を掛けると、急に「はい!」と、大きな声で返事をして
私まで驚いてしまう。
しばらくするとまた眠ったが、寝言なのかわからないが
急に「はい!はい!」と、何度も言うので
「私ならここにいるよ!」と、声をかけると静かになった。




○月○日(私の記述)

お母さんは相変わらず・・・・
少しの物音でも目を覚ますのに、すぐまた眠ってしまう。
かろうじてトイレと朝の洗面に起き上がるくらい・・・
せめて起きている時位、いつものお母さんに戻って
話がしたいな・・・




この日記に終わりがなければ・・・

そう願いながら私達は書き続けていたのかも知れない。