第3話 腹水2
「お母さんの友達でね、やっぱりお腹に水が溜まって病院へ行ったら
手遅れの子宮癌だった人がいてね、その人亡くなったのよ・・・
お母さんも同じ病気なのかなぁ・・・・」
そう話す母。
腹水が溜まる意味さえも知らなかった私は
母がそんな病気のわけがない!
そう思って母を励ました。
「そんなわけないじゃん!!大丈夫だよ!!」
「でも・・・・もし大変な病気だったらどうしよう・・・・
お父さんだって入院してるってゆうのに・・・・・」
そんな弱気な母を見たのは初めてだった。
父の病気のことで人が変わったように弱気になってしまったのか・・・
でも母は病気なんかじゃない。
ただ看病疲れで体調が悪いだけだ。
私はそう思っていた。
「大丈夫だよ!!お母さんのお腹だって入院して水を抜いてもらえば
すぐによくなるし、お父さんもリハビリしたら話せるようになるから
なにも心配しないで大丈夫!!」
「そうかなぁ・・・・」
「そうだよ!!お母さんがそんな弱気でどうするの!!」
「そうだね・・・頑張らなくちゃね。」
本当に私は大丈夫だと思っていた。
お母さんの腹水だって抜いてもらえばすぐによくなると思っていた。
いや!そう思いたかった。
そう思い込まないと
この状況は耐えられそうにもなかった。
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