「お願いします。」と飼い主様はおしゃった。
腎臓と年齢を考え、本日から入院して頂き
麻酔の影響を少なくするために点滴を開始。
翌日、オペをすることとした。
そしてオペ当日。
点滴の効果なのか、昨日より顔つきは
良化していた。
高齢であることから、不測の事態も考慮して
麻酔をかけた。
気管チューブを挿入し、麻酔器に繋ぐ。
呼吸も落ち着いている。
問題の犬歯を動かしてみる。
やはりぐらつく。
器具を使い、ゆっくりと慎重に抜く。
「抜けた!」
歯根部が化膿しており、黒い岩のりのような
歯石が付着し、歯根の先が溶けていた。
慢性経過と思われた。
次に臼歯(奥歯)を触ってみると、ぐらつく。
この歯も抜歯適応であるので、抜歯した。
歯根部が同様に化膿して、歯石も付着。
この2本が原因で、食べれなかったのであろう。
この2本以外は、ぐらつくような歯は
認められないため、スケーラーで歯石除去。
そして麻酔を素早く切った。
麻酔からの覚醒も順調で、数時間後には
「腹減った」とばかりに声を出していた。
待ってましたとばかりに、食べる。
お皿までペロペロ!
食べる姿は、いつみても微笑ましいですね。
動物の場合、少々口が痛くても
食餌はとれるケースが多いように思います。
その仔たちがお腹が空いているのに
口のトラブルで食べられない状況は
かなり進行した状態も考えられます。
食べているからと安心せず、
口を気にする様子がみられたら
早めに受診することをお勧めいたします。