17才半の高齢ネコさん(♂)が来院した。
「お腹が空いているようだが
あまり食べていない。」
「水を飲んでも口のあたりが気になるようです。」
とのこと。
体重をみると、何と1週間で400gも減っていた。
口を診ると・・・
「!!!」
下の犬歯の長さが違う。
左側の下顎犬歯が長い。
(写真では右側)
歯の成長の違いではなく、病的な変化と思われた。
左側の下顎犬歯を指で、前後左右に動かしてみると
グラッと動く。
また犬歯と歯肉との境目に歯石も付着していた。
歯根部が炎症を起こし、少し抜けかけているかもしれない。
しかし犬歯ゆえ、少し引っ張ったくらいでは
抜けはしない。
年齢が高く、腎機能も低下しているため、
麻酔にリスクが伴うことを、飼い主様にご説明した。
痛み止めなどを使えば一時的な改善は
期待できるかもしれないが、根本的な治療は
抜歯しない限りは難しいであろうとお話した。
飼い主様は、しばし考えていた。
(つづく)
イヌでもネコでも高齢になると
歯石や歯根炎などのトラブルが
多く見られます。
その治療の際、麻酔が必要になることが多いです。
動物の場合、歯の処置にあたり
全身麻酔が必要ですが、やはり麻酔のリスクが
生じます。
歯石予防のためには
日頃からの歯磨きが最も有効な方法です。