「ここ2~3日前から食欲、元気がない。」

と15才のネコさんが来院された。


獣医師Tommyのブログ「小さな命と向き合って」 4

診察しようとした時

胸~腰の背骨の被毛が真っ黒になっている

ことに気が付いた。


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その辺りの被毛を少しかき分けた瞬間

ものすごい数の黒い粒、すなわちノミの糞と

数十匹のノミが「ザーッ」と被毛の中に

潜り込んだ。

「ひゃー!」と見ていた看護師が

声をあげた。



まさに「ノミの巣」状態。


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この仔はどれだけ痒い思いを

していたのであろう。

きっと痒みで、夜も十分な睡眠もとれず

そのため食欲も低下していたに違いない。

この仔と共に生活をしていた飼い主様は

ノミの被害に、あっていなかったのであろうか?

90代半ばには全く見えない

飼い主様は、ノミの存在には全く

気づいていなかったご様子。


しかもこの仔は、全く外に出ていないという。

では「ノミはどこから?」

という疑問が湧く。


確かこのお宅は、りっぱな芝生のある

お家であった


一つ質問した。

「庭に野良ネコが来ますか?」


「来ます。」


「やはり・・・」

野良ネコがノミを落としてこの仔に

寄生する可能性は充分ある。



15才という年齢から、血液検査を

実施した。

結果は腎機能、肝酵素などは正常レベル。

軽度の貧血と脱水が認められた。


治療として、まずノミ駆除。

「巣」を中心にフロントラインの

スプレーを噴霧。

ノミが動かなくなっていく。

脱水に対して点滴、栄養補助剤の

注射を施した。




今回は極端な例になりましたが

一歩も外に出ていなくとも

庭の野良猫さんからノミが移ることは

珍しくはありません。

可能性がある場合は、ノミ駆除薬を

お使い下さい。

またこの季節は、熱中症のみならず

ノミやダニの繁殖の旺盛な時期でも

ありますので、よりお気を付け下さい。

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