とれた液体を病理検査に出してみると

「化膿性肉芽腫性炎症」を疑うとの回答

悪性腫瘍を疑わせるような所見は

とりあえず、見られなかったという。

(液体だけの所見なので、腫瘍の可能性が

全く否定されたわけではないが・・・。)


病理検査の結果を鑑み、

しばらく抗生物質を使用することとした。

投与後7日、14日でしこりを診察してみたが

小さくなっている感じはほとんどない。


このまま抗生物質による治療を

続けていっても、しこりが小さくなる

可能性は低いように思われた。


そのため思い切ってオペを勧めた。

肛門の左下の皮下のしこりと

左足の付け根のしこりの切除。



飼い主様は考えた後、同意され

切除することとなった。

通常通りの麻酔薬を用いて

オペを始めた。


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肛門部の皮膚を切開すると

目的のしこりが見えてきた。

しこりは、楕円形で

触るとやや硬めであった。


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次に足のつけ根のしこり。

正常な皮膚とこの袋状のしこりの

境界がはっきりしないので、

ある程度の範囲で切除した。


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切リ取った皮膚は、浮腫(むくみ)を

起こしていた。

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麻酔も順調で、無事に二ヶ所のオペが

終了した。





数日後、病理検査の結果が来た。

肛門部のしこりは「化膿性肉芽腫性

脂肪織」(脂肪組織の中に、何らかの原因で

炎症が起きて、しこり状になった



足の付け根の方は「汗腺嚢胞」というもので

汗腺に何かが起きて嚢胞ができてしまった

のではないか)



この嚢胞は、多くのケースでは

内科的治療での解決は難しく

外科的切除でないと、根本的な解決は

できないとされている。




【術後発毛し、オペの痕の傷も判らない】
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【足のつけ根の袋状のものの再発はない。

黒いものは陰嚢】
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術後も順調で、無事に抜糸を終え

今のところ再発する兆候はみられていない。




内科的治療で、治療効果が

なかなか期待されない時には

思い切って外科的な選択が

必要とされたケースでした。

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