15才のこの黒猫さん、

低くて、とても大きい声の

持ち主です。


獣医師Tommyのブログ「小さな命と向き合って」 3


獣医師Tommyのブログ「小さな命と向き合って」 3


一見元気そうに見えますが

腎臓病を患い、10日に1度の頻度で

点滴に通ってもらっています。

先月下旬、いつものように身体検査を

していると

「!」

お腹に何か触わる!

左側の乳腺部に。

約1.3cm大のやや硬いしこりがある。

4日後、再度チェック。

約1.5cm大に増大している。


獣医師Tommyのブログ「小さな命と向き合って」 3

飼い主様はややうつむいているように見えた。

実はこの仔は2年前にも乳腺のしこりができ

切除していた。

その時の病理検査の結果は

「乳癌」(悪性)であった。


前回のオペから今回までの2年間は

しこりの発生は見られなかった。

前回のオペから1年以上経過しているので

再発というよりも、新たなしこりが発生した

と考えるのが妥当であろう。


オペをお勧めした。
腎臓病のことがあるので、血液検査を実施。

やはり腎臓の機能は、正常より高いが

麻酔がかけられないレベルではない。

勿論、数字に必ずしも表れない年齢などの

リスクもお話ししたのち、オペをすることとなった。



麻酔に対する負担を少しでも軽くするために

オペをする前日から入院してもらい

点滴を開始した。


そしてオペ。

できるだけ麻酔薬を使いたくないので

なるべく短時間に、素早く終えることを

頭の片隅において、オペを始めた。



バリカンで短く術野の被毛を刈ると

しこりの近くの皮膚の血管がうっすら見えた。

出血に注意しながら、慎重かつ迅速に

しこりを切除した。


思ったほど出血もない。

心電図の波形も呼吸も安定している。

皮膚も素早く縫合して麻酔薬を切った。

覚醒を見守る。

15才で腎臓病持ちというわりには

思いのほか早めに覚醒してくれた。

(しこりは現在、検査中である)


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15才にして2度目の乳腺のしこり切除。

猫の場合、乳腺にしこりがあると

80~85%は悪性腫瘍と言われている。

1年以内に再発し、亡くなってしまう

ケースが多い。

日頃からスキンシップを図り

乳腺にしこりがないかを

チェックして頂きたいと思う次第です。

もしもしこりを感じたら

早めに病院を受診して下さい。

早期発見、早期治療が大切です。にゃー

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