- 福本 伸行
- 最強伝説黒沢 9 (9)
この漫画家はどの作品でも人間を描くのが
本当にうまい。
不安、自己顕示、興奮、惨めさ、等々、
キャラクターの心理がリアルに伝わってくる。
見ていて気持ちがえぐられるのだ。
どの巻だったか忘れたが、ファミレスで黒沢が
座った席の後ろの席で、人生に悩んでる30代の
レンタルビデオショップの店員がいて、
黒沢の思いに感銘を受けるシーンがあるが、
その悩み方が、現実にもよくいそうな気がして
おもしろかった。
確か、「はぁ~。俺、なんかやる気でないし、これって
年なのかな。。。」みたいな感じ。
このままでいいのか?と悶々している
人は自分も含めて世間には
一杯いるだろうが、
これはそんな人たちの不安を増長させ、
何とかしないとと思わせる作品だ。
ただ、読んでいくうちにだんだんタイトルどおり、
最強に向かって戦っていく話になってきたため
ちょっと微妙な部分もでてきた。
そう思ってこの記事かいてるときに検索してみたら、
このブログ のようになんと連載は終わった模様。
まだ読んでる途中だっただけにちょっと残念だが、
初期の頃に十分作者の狙いは達成できている。
少なくとも僕に対しては。