<あらすじ>
1944年のスペイン内戦で父を亡くしたオフェリア。母は敵方の冷酷な独裁主義の大尉と再婚する。恐ろしい義父から逃れたいと願う彼女は、屋敷の近くで謎めいた迷宮を見つけ出し、足を踏み入れると、迷宮の守護神“パン”が現われる。パンは「あなたは、捜し続けていた魔法の王国のプリンセスに違いない」と明かし、その真偽を確かめるため、オフェリアに3つの試練を与える。オフェリアは全く心の準備もないまま、その試練に立ち向かうことに…。


これを観に行こうと考えてる人はチラシや予告などで予備知識を一切植えこまない状態で観に行ってほしい。
映画を観終わってからチラシなどを見るとハッとさせられるからだ。
それだけに頭を真っ白な状態にして観に行ってほしいのだ。
私も映画を観終わってハッとさせられた一人だ。


私が思うにこれはファンタジーという言葉で簡単にまとめられる物語ではない。
残虐な時代に生まれてしまったオフェリアという少女の物語だ。
ハリー・ポッターやロード・オブ・ザ・リングなんかのファンタジーと比べると質も奥深さも違う。
まさに大人のファンタジーだ。


しかし、ファンタジー要素はあるものの話のベースになっているのは、その時代の独裁政権に苦しむ人々の背景を描いており、その中でオフェリアに焦点を当てている。
オフェリアという少女はまさにその時代が生んだ産物だろう。

ファンタジーとして観るとすこし面食らうかもしれないが、映画としてはすごくよくできており、オフェリアが辿り着いたラストはその時代を想えば理にかなっているのかもしれない。
ぜひ、おすすめの一本。


★★★★