評価は5段階。
控えめなつもりの感想。
あらすじはラストまで書き込みますのでネタバレにご用心!!
王と鳥
- アイ・ヴィー・シー
- 王と鳥
捕らえられていた鳥かごを大きな手が叩き潰す最後のシーンがこのアニメのテーマなんだろうけど、フランスはフランス革命の余韻からまだ脱しきれていないのだろうか。
大きな手の持ち主は自分の破壊した瓦礫の上で佇むだけだった。
後半に出てくる鳥のアジテーションに説得力がなく映画が終わった後に希望が見いだせないのは欠陥だと思う。
パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド
「カリブの海賊・地の果て編」なんて邦訳する必要はないのですが、面白かったです。楽しめました。
テーマは「永遠の愛」。結局は愛が勝つのだ。
話は複雑に絡み合うので、前日に『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』をレンタルしてちゃんと予習しておいて良かったです。 物忘れの激しい人は前2作をちゃんと観ておいた方がより楽しめるはずです。
それと、最後の最後に感動のオマケの映像があるんで決して途中で席を立たないように。
- ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
- パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト
パニッシャー
- ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- パニッシャー コレクターズ・エディション
悪い人が黒い衣装でダンディに格好良く決める訳が改めてよくわかりました。
ただただ後ろめたいんですね。
ださくても良いから、前だけ見ていたいものです。
"Sic vis pacem parabellum - If you want peace, prepare for war."
スパイダーマン3
人々は傷つけあって生きている。だからこそ、いかに許し合うかが問われている。
近年のアメリカは世界各地で過ちを犯し続けているが、アメリカはやっとそのことを自覚し始めている。
この映画は、スパイダーマンが大統領に代わってこれまでの罪を世界中の人々に陳謝し、許しを請おうとしているのだ。
なんてメッセージが隠されていたりして。
ないか。
トゥモロー・ワールド
- ポニーキャニオン
- トゥモロー・ワールド プレミアム・エディション
閉塞感の中で一抹の希望。それは未来を描くのか?
テロで銃弾が飛び交っていたり、食べる草木さえない極度の貧困の生活。未来は閉ざされ、夢は少しも見ることが許されない。
もし、次から次へと湧き出てくるゾンビに囲まれてしまえば助かる道はない。あなたも私もヒーローではない。正義の味方はついぞ現れた試しはない。滅び往く道は後戻りできない。
近未来の荒廃したイギリスを舞台にしたこの映画にゾンビは登場しないが出てくる人間はゾンビ以上に冷酷非道で、ちょっとしたホラーよりも残酷だった。
今の平和がいつまで続くとは誰も保証してくれないし、実はあり得ない。この映画のような情況が直ぐそこまで近づいていると考えた方が正しいだろう。
ハリウッド的なSFばかりがSFではない。こんな映画があっても良いだろう。
良い映画か悪い映画かは観る人が決めれば良い。お勧めはしないが、もし見るのなら覚悟だけはしておいた方が良い。結構つらいモノがある。
一筋の光の先に希望があると信じるしかない。
40歳の童貞男
- ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
- 40歳の童貞男
これは面白い。
40歳まで童貞が主人公なのだが、みんなにばれても動じず、引け目や負い目を感じず、決して焦らない態度に好感が持てる。ただその機会がなかっただけなのだ
それで周りが騒ぐわけだが、なかなか教えてもらうことが多く、勉強になった。今は子持ちなんだけど、もう一度童貞から始めたくなった。駄目かな?
ドリームガールズ 補遺
助演のジェニファー・ハドソンがアメリカのアイドル発掘番組に出演していたと言うことで早速アメリカン・アイドル BEST DVDのDISK 1を調べた。50分以上流し見して、やっとシリーズ 3でジェニファー・ハドソンを見つけたのだが、彼女は12人のファイナリストに選ばれたものの残念ながら最後の6人には残らなかった。従って彼女のパフォーマンスはこのDVDでは観ることが出来ない。優勝を信じていたジェニファー・ハドソンの落胆する姿しかこのDVDには写っていない。DVDの編集者に先見の明はなかったようだ。
アメリカン・アイドルは視聴者参加型公開オーディション番組で視聴者の電話投票がすべてを決める。ジェニファー・ハドソンは前週はトップで通過したのだが、その週は票が割れて最下位になってしまったとか。
審査員のひとりはこの投票結果に「この番組は歌唱力が審査対象でルックスで選ぶのではない」と苦言を呈していた。まるで『ドリームガールズ』の一場面のように。
- ジェネオン エンタテインメント
- アメリカン・アイドル BEST DVD-BOX
ドリームガールズ
テレビ画面では味わえない壮大なシーンはこの映画にない。しかし、この音量で歌を聞くことは普通の家では無理だろう。映像ではなく歌声を身体で感じるために映画館へ行くだけの価値は十二分にあると思った。
ラブストーリではないのに見事に歌と物語が絡み合って、素早い画面展開でスピーディに物語は進んでいく。形としては音楽界の内幕モノになってはいるが、成功を夢見る人間の葛藤と努力のドラマがメインで、心の雄叫びが胸を打ち続ける。
これが歌で、これが映画で、これがミュージカル。
マリー・アントワネット
『ベルサイユのばら』をイメージして豪華絢爛な歴史絵巻を期待すると裏切られるだろう。マリー・アントワネットを描くが歴史は語られていない。マリー・アントワネットが見たり聞いたりやっただろう事がスクリーンに映し出されていく。監督のソフィア・コッポラは「最後の瞬間の直前まで、彼女の世界はシャボン玉だった」という。その世界は下界から切り離され歴史も政治もない。時間が止まっているかのようだ。
そこはまさしくソフィア・コッポラの世界だった。演劇は物語を文字通り台詞で語られるが、コッポラは台詞を極力排し、映像で物語を構築していく。しかもソフトさを敢えて避けて、必要以上に硬い画像は大理石に描いたフラスコ画のようだった。
ソフィア・コッポラの個性が光っていた。独自の世界を築いたのだから、ある意味では傑作といっても過言ではないと思うが、豪華絢爛な歴史絵巻を観たかったかなりの観客の期待を裏切っていることは事実で故に駄作とも言える。今後のソフィア・コッポラに注目したい。
プライドと偏見
- ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
- プライドと偏見
文芸超大作はやはり苦手だ。
テンポについていけなくて早々に飽きてしまった。そこで覚悟を決めて、物語を追うのではなくキーラ・ナイトレイだけを見ていることにした。
表情の多様さ、表現の巧みさ、変幻自在の演技に改めて感心した。
物語の進行はかなり端折っていて、時に説明不足で、しばしば原作を知らない観客が置いてけぼりにされてしまうのだが、キーラ・ナイトレイは表情の変化だけで見事に表現してしまう。同じ人とは思えない色んな顔があった。
映画は後半になってやっと緊迫感が増してきて中に入り込むことが出来た。我慢して見続けて良かったと思う。ロケーションも見事。