う~ん・・・・、落ちが弱い気がする(汗
もしかしたら、後で書きなおすかもしれません、けど一応up・・・
(読んでくださっている方、すみません!!!/土下座)
4月26日加筆修正
言葉にしないけど分かってよ 後編
その後シンに持ってきてもらったタオルで拭いて無事服を着終ったセラは、航海室にいると言い先に出て行ったシンの後を追った。
あの時シンが振り返った時の表情が、怒っていると言うよりも泣きそうに歪んでいるのを見て、驚いてしまった。
泣いてしまったことは悪かったが・・・・というより、シンがあまりに恐い顔をして入ってくるものだから、驚いてしまったのだ。ついでに言うと、シンとはまだそういうことはしたことがない。キスだって、最近やっと慣れてきたばかりだと言うのに、あんな恰好で迫られるのはたとえ相手が大好きなシンだとしても、戸惑いを隠せない。
ところでシンの怒っていた原因なのだが、何かしてしまったということはセラにもわかるが、理由を言ってくれないため肝心の原因がわからない。今日の朝からの自分の行動を思い返してみても、特にシンに迷惑をかけるようなことはしていなかったと思うが、しいて言うならば自分のどんくささが原因なのだろうか―――。
航海室の前についた。コンコン、と2回ノックをして名乗ると、入れ、と短い返事が聞こえた。セラが遠慮がちに扉を開けると、舵の前で海図を眺めているシンが見えた。やや間が空いてから手元から顔をあげてセラを見、お互いそのまま見つめ合ってしばし無言の時が流れる。
シンの瞳には、先ほどの怒りも戸惑いもなく、ただ静かな目でセラを見つめている。
あの、とこの場の空気に耐えきれなくなったセラが言うより早く、シンが口を開いた。
「さっきは、悪かったな」
「・・・え?」
セラは耳を疑った。
まさかシンの口から謝罪の言葉が出てくるとは思っていなかったため、目を丸くして固まる。
「・・・・お前、何を珍しくと思っているんだろう」
セラの反応にまたも不機嫌そうな声に戻るシンだが、その耳がわずかに赤くなっているのが見えた。
「え、いや、そんなことないですよ!」
セラのしらじらしい答えに、ふん、と息をついたが、らしくないことを言っているのは当の本人が一番良く分かっている。
前の自分であったら、何があろうとこんな小娘に謝ったりなどしないだろう。それどころか、たかが女一人にこうも振り回されるなど想像すらできないことだった。
セラを見ていると、愛しく大切にしたいと思う気持ちと同じくらいに、不安や嫉妬が渦巻く。それらは前の自分なら、ばかばかしいと鼻で笑っていた感情だった。
シンがよく利用する娼婦にも、何度か通っただけで何を勘違いしたのか、他の女と話す自分に嫉妬心をあらわにする者もいた。そのたびにシンは、くだらないと思うと同時に、憐れな奴だとも思った。そんな醜態をさらすくらいであれば、はなから恋などしない方が良い。自分だったら即座に切り捨てる。
今だって、どう考えてもその方が合理的である。こんな男しかいない船で、セラに他の男と話すなと言ったって、無理に決まっているのだから。こんなことでいちいち心を乱されるのならば、いっそのこと手放してしまえたらどんなにかいいだろうと思うのだが、今はそれすらも苦しい。むしろそれこそ、自分が一番恐れていることなんだと、恋に落ちて身をもって思い知ったシンだ。
「お前は・・・・俺と一緒にいて楽しいのか?」
気が付くと、そんな言葉が口をついて出ていた。しかしそれは、シンの偽らざる本心であった。誰かを思いやる気持ちは、母親を失ったときに一度捨てたつもりだったのに。自分は人にやさしくすることが上手でないのを十分に自覚している。今回のように、またいらだちをぶつけてしまわないとも限らない。こんな自分でも、セラは良いのだろうか―――。
「あたりまえじゃないですか!」
すると、さっきまで落ち込んでいたとは思えない強い声で返すセラに、はっとする。
「私は、シンさんと一緒にいられるだけで・・・・それだけですごく楽しいですし、嬉しいです」
はっきりとそう言いきるセラ。まっすぐに自分に向けられるセラの視線とその好意に、ささくれだっていたシンの心が穏やかになっていくのがわかった。
あれだけ高ぶっていた感情が、セラの言葉で落ち着きを取り戻す。自分が感情に突き動かされるままに動くのも優しくしたいと思うのも、セラだけだ。
今、それはこちらのセリフだと、素直に言うことができたならどんなにいいだろう。
「だから・・・・嫌いにならないでください・・・・」
最後に不安げにセラの口から紡がれた言葉を聞いて、シンはセラに歩み寄りその腕に思い切り強く抱きしめた。
「っ、あの・・・・、シンさん?」
「お前は、優しいな」
「え!?」
すぐ耳元で聞こえたシンの言葉に、くすぐったそうに身をよじる。
声がくすぐったいのもそうだが、今、何と言ったのか―――
「いいから、おとなしくしてろ・・・・」
そう言われると、セラは動くのをやめて、素直にシンの腕の中に収まる。
恋人になってから、夜寝る時も同じベッドをつかうようになったが、いまだにこういうことには慣れないセラだった。
ちょうど頬のあたりに押しあてられるようになったシンの胸からは、規則正しく心音が聞こえてくる。恥ずかしいはずなのに同時にすごく落ち着くのは、きっとこうして触れている全身からシンの愛情を感じられるからに違いない。
セラは今度こそ体から力を抜くと、二人はしばらくそのままお互いのぬくもりを感じ合っていた――――
「あの、シンさん。結局どうして、シンさんは怒っていたんですか?」
そのあといつもの調子に戻ったシンに、こちらもすっかりくつろいだ様子のセラが、聞いてくる。
さっきまでは泣いたりあんなにしおらしくしていたというのに、良くもここまで立ち直るものだと感心する。まあ、いつまでもぐずぐずと泣かれていてはこちらも困るが、こうまで何事もなかったかのようにできるのもある意味才能だと思う。
先ほどは、自分はセラの心の広さに救われているのだと感謝すらしていたのに、こいつはただの能天気なんじゃないかと、せっかく感心したのも自分の悩みもバカらしくなってきてしまう。これは長所なのか、はたして短所なのか・・・。
セラを見てみると、さっそくナギにいれてもらったホットミルクを飲みながら、その目はこちらを見てシンの答えを待っている。
「お前、本当にわからないのか?」
「ええと・・・・、たぶん、私のせいですよね・・・・?
そこから説明しないといけないのか・・・・! と、目が険しくなったシンにセラもまずいと思ったのか、あわてて
「いえ、それはわかってるんですけれど! その、・・・何が悪かったのか、よくわかりません・・・・」
目線を泳がせつつ尻すぼみに答えるセラに、何と言ってやろうかとシンもしばし考える。思ったことをそのまま全部伝えるのは、やはり度量の狭い男だと言っているようなもので、絶対に言うわけにいかない。だがこのまま何も言わないのもそれはそれで癪に障る。なぜなら今日に限った事でもないのだ、セラの動向を見ていてやきもきするのは。きっとセラがもう覚えていないような些細なやり取りでさえ、自分の方がはるかに多く記憶しているに違いない。
「・・・・・さっき、 ハヤテがお前にスープをこぼしただろ?」
「あ、はい。・・・・それが・・・?」
「おまえ、服を汚されてなんでへらへら笑ってられるんだ?少しは怒ったり言い返したらどうだ」
そのくらいで目くじら立てて怒るセラも見たくはないが、他の男に何かされて笑っているのは腹立たしい、というのがシンの言い分だ。
「確かに、嬉しくはないですけど。別に怒るほどのことでは・・・・・」
「・・・・だいたい、食べ物を粗末にして悪びれないあいつも、行儀が悪いとか思わないのか?」
何とか納得させようと、苦しい言い訳になるが、その言葉に「あ、そっか!」と納得するセラを見て、とりあえず良しとする。
「・・・・それに、普通服も着ないで通路に出るやつがあるか?」
「う・・・・それは・・・・」
「この船に乗っているのは、俺とお前だけじゃない。どうせ、すぐ行けば部屋だから大丈夫とか思って出てみたら、ちょうどハヤテとトワがいたんだろう。男しかいない船で、油断はするな」
「・・・・はい、すみませんでした・・・・」
「・・・・わかったならいい」
ついでに言うと、自分の言うことには反発してソウシの言うことには素直にうなずくのも、気にくわない。だがそれは、ソウシはこの船の医者であり歳も船長に次いで上なため、セラからすれば注意されれば『はい』とおとなしく従う、いわば兄と妹のような関係以上の深い意味はないのだろう。
とりあえずセラもこれで少しは自分の行動を見直すだろうし、今後は今までよりも穏やかな日を過ごせるようにと思いつつ、この話はここまでと打ち切ることにした。
――――その翌日。
今朝も相変わらず、みんなで食堂で朝食をとっている。
ただいつもと違うのは、昨日の騒ぎがあったせいでハヤテとトワによる争奪戦が繰り広げられないことだ。そのため、いつもより落ち着いた食事風景となっている。
「なんだか、こんな風に落ち着いて食事をするのも変な感じだね」
「・・・・だな。俺はこの方が助かるが」
にこにことソウシが言うと、ナギもかすかに笑いながら答える。
「・・・・なんすか、俺だってたまにはゆっくり飯ぐらい食いますよ」
「ほう、お前にも学習できる頭があったんだな。毎日バカみたいに同じことの繰り返ししかできないと思っていたんだが」
「シン、おまえ喧嘩売ってんのかよ!」
「ガハハ、やっぱりちょっとは賑やかな方が落ち着くな。なぁ、セラ!」
「ふふ、そうですね」
そう言う船長に、セラが笑って答えた後、ハヤテを見て何か気付いたセラが声をあげる。
「あ、ハヤテさん、口の横に人参ついてますよ」
そう言って、自然な動きでハヤテの口元をナプキンで拭きとってやるセラに、シンどころか周りの空気も固まった。
「お、おいセラ! これくらい自分でできるって・・・!」
あたふたと言うハヤテは、もちろんシンの顔色を気にしているのだが、それにかまわず今度は服を見ると、
「昨日のスープでシミになってる・・・・後で洗うから、着替えて洗濯物入れにいれておいてくださいね?」
「お、おう・・・・」
赤くなったり青くなったりして答えるハヤテと、今日に限ってどうしてこんなに面倒見がいいのかといぶかしむ仲間の前で、シンも低い声を出す。
「・・・おい・・・・」
「あ、シンさん。私も、一晩考えて良くわかったんです。船の風紀を守ることは大切ですね!」
・・・・・・。
つまり、何か。昨日のあのシンの注意を聞いたセラは、食べ物をこぼすのはもったいない。通路を裸で歩くのは行儀が悪い、と、そう解釈したと言うわけか。
(俺はこいつらの母親じゃねぇ・・・・!!)
内心そう叫ぶも、この気持ちをどうしたらセラに分かってもらえるのか。改善したと思ったはずが、自分の言葉で余計複雑な事態にしてしまった感が否めない。一体どうしてくれようと、今日も朝から盛大に頭を悩ませるシンの姿があった。
やっぱり、落ち微妙ですよね~(-_-;)
自分の文ばかり見ていると、だんだん崩壊してくるのがわかります。
今回は、一応付き合いたて設定。
今まで本気になったことのないシンさんが、独占欲と嫉妬心をどう抑えたらいいのかわからなくて暴走してしまった話。
だって、この方恋愛せずにもう24歳ですよ!だがそこがいい!!(だまれ)
俺だってみてないのに何先に見てんだよおまえ(←ハヤテ)(怒)っていうシンさん。
あ、タオルと着がえ忘れてこそこそと素っ裸で廊下を歩くのは私です(爆
女の子しか住んでない共同部屋でしたが、見つかったら変態ですね。
ちょっと、他の小説などを読んで、文章力を養ってきます!┏( >_<)┛