その瞬間にその場所にいられるかどうか、それだけ。
そういられる人生を選ぶかどうか、ただ、それだけ。
夜明け前の静かで冷たい空気。
山が呼んでる、行かなきゃ。
そう思って急いで靴とアイゼンを履いた。
なんとか間に合った山頂で一人、見た雲海と朝日。
とてつもない、贅沢。
山々が照らされてほんのり赤く染まる。
21歳の自分がドキドキしながら1人で歩いた稜線がそこにはあった。
この時間がとてつもなく好きだ。
いつまでも、見ていたい。あの頃となにも変わっちゃいない。
また山が、好きになった。
心は嘘をつかない。