安心して努力をしなさい | 夢が実現するしくみがわかれば、私たちはもっと自由になる  君塚由佳

夢が実現するしくみがわかれば、私たちはもっと自由になる  君塚由佳

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私がやとわれマネージャー(ディレクターと呼ばれてます)として
働いているモデル事務所は けっこう大人数のスタッフを抱えております。

ずいぶん前だけど、「1人1つ企画書を出すように」と募ったら
まあ いろんなのが集まりまして。


話にならないようなの、思い付きだろうなあと思えるもの、
どっかからコピーしてきたな(似たような映画を見たような気がする)もの
すぐにでも実現可能な優秀な企画だけど どこか他人事(自分は参画する気ないんだろうなあ)っていうのがアリアリのものまで。


その中で、すごく独創的で 温かみのある 
まあ少し手直しは必要だけど
「これ できたら スゴイかも」って
読んでてドキドキするような企画もあって

「この企画書誰が描いたの?」って聞いたら、
とある不気味がられている男性スタッフでした。


体揺らしていたり 独り言言っていたり 
無表情だし目を合わせないから感じ悪い。
電話しながらメモをとるなんていう小学生レベルのこともできない。
「まったく お前は大した奴だよ」っていう皮肉にもヘラヘラしている


ふうん・・・でもなあ、
こういう企画って マグレじゃできないんだよねえ。

とりあえず、「私のチームは採用条件はなくて 先着順だから、募集始まったら優先的に知らせるよ。来る?」って声をかけておいた。

で、彼が来たんだけど あちこちで陰口を叩かれているのは本人も自覚済み

相手と視線を合わせるのが苦手なのは本当らしい。
私と話をしているときも視線をそらしていることが多かった。
まあ、聞いているの!?って思われるかもね。
でも、本当に聞いているかどうかはすぐわかる
私の目をガッツリ見て いいお返事する割には ぜんぜん聞いちゃいない人もいるから 別に気にならない。

それに、一番は「あいつ、気味が悪い」「使えない」って
さんざん言われているのに
「あんただって大したことないじゃないか」「人の目をガン見するほうがキモイ」そんな仕返しを全くしない

ツラい目に合っているのに 人を恨むとか、バカにしたやつを見返してやりたいとかそういうのが 信じられないほどない

「人事は どうしてあんなに何をやらせてもダメで 協調性に欠く人を採用したんでしょうねえ」っていう声もチラホラ聞いたけど、


私には わかるよ。こういう人は、絶対にみんなにとって必要な人だ。


彼にはアシスタントを2人付けて、1度にするのは1つだけの作業ですむようにコントロールしてもらった。

電話なら電話だけ。同時にメモは取らなくていいし、そもそも作業中は電話に出なくていい。

1つ1つに集中してもらって、それをめまぐるしく片づけてもらう。仕事は決して遅いほうではないのだから。

対外的なものもアシスタントが片づけたし、彼のやさしさと忍耐力をそのまま反映させたアイディアは、本当にいろんな人を幸せにしました。 


で、私はもうこの事務所を去る日のカウントダウンが始まっています。
私の後任に指名したのは彼です。
今度はアシスタントだけじゃなくて秘書も付くから もっと楽になるよ。



私がまだ学生で
専門学校にいたころ、技術協力に来ていた企業のエンジニアさんに
「君、卒業したら ウチに来る?」って声をかけてもらった。

「一生懸命資格は取っているんだけど、なかなかプログラムが効率的に組めなくて。私よりも適任はいるんじゃないですか?」って申し訳なくて言ったら

エンジニアの腕としてはイマイチ(本当にこう言った( ;∀;))かもしれないけど、君はウチでいい仕事をすると思うよ」

そう言われて 社会に出た。会社に入って、やっぱりエンジニアとしてはパッとしなかったけど最年少のプロジェクトマネージャーになった。

私の強みを見つけてくれた人に恵まれ続けた幸運は 次の人に回さなきゃなあ。

モデル事務所のボスがよく言う。
「安心して努力をしなさい。見る人が見ればわかるのだから」

私は「見てわかる人」になりたかった。なれているかしら?

私のカウンセリングのコンセプトは、そこが出発点になっています。