100624:三輪車三態乗り比べ | 【モーターファン・イラストレーテッド 公式ブログ】

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こんにちは。MZWです。

ちょいと前の話で恐縮です。
6月24日に、三輪車の試乗に出かけてきました。
オートスタッフ末広が作ったウロボロスという車です。

バイク好きの間では「スエヒロ」の名の覚えは高く、
とくに2ストファンには聖地のようなお店です。
ヤマハTZRの車体に2T-V4型500ccを載せたり、
ホンダNSR+2T-V3型400ccの車両を販売したりと、
血がたぎるマシンを実際に作ってしまうところ。
今回のウロボロスにも期待が高まります。

会場は南千葉サーキット。今日はのんびりひとりです。
都心を抜けると車の通りもだんだんと少なくなり、
緑豊かな道路をゆったり走ります。いい季節ですね。
そうするうち、試乗会場に到着しました。

今回の主役は前2輪構造のウロボロス。
しかしオートスタッフ末広は3輪の楽しさを伝えるべく、
ほかに2台のマシンも用意していました。
一台はサイドカー。もちろんスエヒロ製です。
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サイドカー。ご覧のとおり、タイヤとホイールは4輪用。
バンクしないからですな。前サスが特徴的です。


もう一台はニーラーと称するレーサー。
わずか100ccのエンジンを専用フレームに載せた、
往時のサイドカーレーサーみたいなマシンです。
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ニーラー。一瞥しただけだとどう乗るのかがわからない。

ウロボロスは車両センターのFR+前2輪ステア。
サイドカーは右オフセットのFR+前1輪オフセットのステア。
ニーラーもサイドカーと同じシステムです。
乗り比べることで、3輪それぞれの楽しさを知ってほしい
という意図によるものだとのこと。

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ウロボロスとオートスタッフ末広の中村さん。
奥の人はデザイナーのツナグデザイン・根津さん。


取材媒体は、結構な数が来ていました。
オープニングを経て合同の撮影会が済むと、
いよいよデモンストレーターによるウロボロスの走行です。
おお、やはりなんだか不思議な操縦性に見える。

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ウロボロス。MadSystemsの本多氏によるデモ走行。
見た目はなんとなく2輪。
だけどコーナリング姿勢は4輪。


先の編集長のエントリにもありましたとおり、
この間にもウロボロスと同様の車体構造の
ジレラ・フォコに乗ったばかり。
しかしこちらは前輪がバンクすることから、
乗り方はまったく2輪のライディングです。
対してウロボロスは左右ステアのみなので、
2輪のような格好だけど4輪のテクニックも必要?
というような特徴を持っています。

そうするうち、いよいよMZWの試乗の番。
うひゃひゃひゃひゃ! うはははは! 楽しい!
なんだこりゃ! ははははは! いやー楽しい!
具体的な試乗体験は次号で載せます(笑)。

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別媒体のどなたかはタンデムで走行。これも楽しそう。


もちろん、サイドカーとニーラーにも乗りました。
サイドカーの運転は初めて。
まずは特等席の船側に乗せてもらいます。
うーむ……。視界と乗り味はバイクなのに、
コントロールできない(運転しないから)不思議さ。
対して運転側の印象は、ご想像のとおりの左右の違い。
左右旋回いずれもが、結構腕ずくの体力勝負です。
これは新鮮な体験だ。ぜいたくな乗り物です。

しかし今回のMZWにとっての主役は最後のコレ。
ニーラー。わずか100ccとあなどるなかれ。
乗り物のなかでトップを争う凶暴さの
80ccモトクロッサエンジンをパワーユニットとし、
しかもそいつをさらに100ccまで拡大。
2ストの金属的な排気音が不安をかき立てます。

走り出してすぐ「しまった」と思いました。
それくらい速い。怖い。振り落とされる。
左旋回のときはドライバーに被さり、
右旋回のときは車体から落ちるんじゃないか
というくらい身体を外に預けないと外輪が浮いちゃう。

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死ぬ。落ちる。速すぎる。と、とめてー!
ちなみにタンデムライダーはカースタイリングの古庄さん。

速度はおそらく30km/hくらい。
目線は地面から300mmくらい。
こんなにおそろしい乗り物は初めてです。
しかしひとまわりしてふらふらになりながら、
降りた皆が「怖ェ! でも楽しいー!」と絶叫するところ、
魅力が端的に現れているのではないでしょうか。(MZW)

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おつかれー。暑かったでしょう。水くんできたよ。どうぞ。